宇治橋修造起工式おこなわれる |
平成20年7月31日更新
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饗土橋姫神社で 宇治橋の修造起工式
伊勢の神宮では、平成21年10月末の竣功を目指し、皇大神宮(内宮)神域を流れる五十鈴川に架かる宇治橋の修造工事が進められる。7月26日には起工にあたり、宇治橋の守護神を奉祀する内宮所管社・饗土橋姫神社で「宇治橋修造起工式」がおこなわれ、修造工事の安全が祈願された。今後、仮橋が架けられた後に、新たな宇治橋が架けられる。 起工式には鷹司尚武大宮司、久邇邦昭神社本庁統理をはじめ神宮責任総代や地元関係者、工事を請け負う間組関係者など約90人が参列した。 午前10時、奉仕員の禰宜以下神職4人をはじめ純白の斎服を身に着けた技師と、青の素襖(すあお)姿で掛明衣(かけみょうえ)と呼ばれる白布を肩からかけた橋工2人が内宮斎館前庭に列立。第三鼓を合図に第一鳥居、宇治橋を経て参進し、宇治橋から車道を挟んだ駐車場の先に鎮座する饗土橋姫神社前の版に着いた。 まず、社殿横に設けられた祓所で祓詞が奏上され、大麻と御塩で奉仕員や参列者らが祓え清められた後、社殿正面の神饌案に神饌を奉奠。奥西道浩禰宜が神前に進み、宇治橋の修造が滞りなくおこなわれるよう祈念する祝詞を奏上した。続いて奉仕員全員で八度拝をおこなった後、代表の鷹司大宮司や久邇統理らにあわせて参列者全員が拝礼した。 神饌が撤せられた後、奉仕員と参列者が宇治橋西岸の仮橋が架けられる位置に鋪設された祭場に移動。技師が河岸に建てられた橋杭を木槌で三度打ち固め、続いて2人の橋工も同様に橋杭を打ち固めた。この後、奉仕員らは饗土橋姫神社に戻って一拝し、無事に起工式のすべての次第を終えた。 今後は、年末までに宇治橋下手に仮橋が架けられ、来年2月から現在の宇治橋の解体工事を実施。10月末の新しい宇治橋の竣功後、11月3日には渡始式がおこなわれる予定となっている。
宇治橋の守護神祀る 饗土橋姫神社 宇治橋の守護神を祀るのが、皇大神宮所管社・饗土橋姫神社。「饗土」とは、疫神や悪霊を防ぐ道饗の祭をおこなう場所を意味する。 宇治橋前から車道(伊勢街道)を隔てた駐車場の奥に鎮座しており、今回の宇治橋修造起工式では、神前で工事の安全が祈願された。来秋の宇治橋竣功後に予定されている渡始式でも、はじめに橋の竣功が奉告され、その神前で橋の安全を祈念した「万度麻」が、宇治橋西詰北側第二柱の擬宝珠に納められる。 創祀については定かではないが、文明九年(1477)の資料に記載があることから、室町中期以前に遡ることが推測されている。慶長11年(1606)には、豊臣秀頼が宇治橋の新造にあわせて社殿を造替した記録が残り、明治以降には遷宮ごとに造替や修理がおこなわれてきた。 前回の宇治橋修造に際しては、渡始式に先立ち造替工事がおこなわれており、今回も来秋11月の渡始式までには素木の新たな社殿が竣功する予定となっている。
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宇治橋修造起工式
橋杭を打ち固める(上2枚は平成20年7月26日)
写真は前回(平成元年11月)の渡始式
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