独首相盗聴疑惑:米批判再燃 大統領「今後しない」

毎日新聞 2013年10月25日 21時38分(最終更新 10月26日 00時50分)

欧州連合首脳会議の際の記者会見で、盗聴問題について米国の背信行為を受け入れられないと批判するメルケル独首相=2013年10月25日、ロイター
欧州連合首脳会議の際の記者会見で、盗聴問題について米国の背信行為を受け入れられないと批判するメルケル独首相=2013年10月25日、ロイター

【ワシントン白戸圭一】ドイツ政府が米情報機関によるメルケル首相の携帯電話盗聴疑惑について米国に抗議したことなどを機に、一度は沈静化したかに見えた米国の同盟国を標的にした情報収集活動に対する批判が再燃し始めた。オバマ政権は「情報収集の方策を見直している」(クラッパー国家情報長官)と釈明しているが、同盟国・友好国の首脳に対する相次ぐ盗聴疑惑の浮上で、各国との信頼関係が揺らぐ事態となっている。

 オバマ大統領は23日、メルケル首相に電話で「米国はドイツ首相の通信を傍受しておらず、今後も傍受することはないと保証する」と伝えた。だが、この釈明が逆に「過去の盗聴を否定していない」と、欧州メディアに受け止められることになった。カーニー米大統領報道官の24日の会見では「過去の盗聴の有無」に質問が集中したが、カーニー氏は「大統領と首相の会話に付け加えることは何もない」と歯切れの悪い答えに終始した。

 米中央情報局(CIA)の元職員による暴露に端を発した一連の盗聴問題は、元職員がロシアへの一時亡命を許可された8月初旬を境に沈静化の兆しを見せていた。

 しかし、米国家安全保障局(NSA)に自身の電子メールを傍受されたことに怒ったブラジルのルセフ大統領が先月17日、10月に予定していた訪米の中止を発表。今月21日に仏紙ルモンドが、NSAによるフランスの政治家や官僚を対象に含む盗聴疑惑を報道し、その2日後にメルケル首相に対する盗聴疑惑が浮上した。

 さらにイタリアのレスプレッソ誌が24日、NSAと協力関係にある英情報当局によるイタリアでの盗聴疑惑を報道し、欧州を中心に米国への批判が再燃することになった。

 オバマ政権はシリアの化学兵器使用問題への対応で迷走したうえ、米政府機関の閉鎖問題を理由に大統領が東南アジア4カ国歴訪を中止したことで、同盟国の外交当局者の間では、その指導力に対する疑念が高まっている。そうした状況で噴出している同盟国首脳に対する盗聴疑惑は、オバマ政権の信用の失墜に拍車をかけている。

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