天皇、皇后両陛下:披露された水俣病患者・前田さんの歌詞
毎日新聞 2013年10月27日 20時09分(最終更新 10月27日 20時33分)
27日、熊本県水俣市を訪れた天皇、皇后両陛下に、語り部の会の一人で、母の胎内で水銀に侵された胎児性水俣病患者の前田恵美子さん(59)が、「3歳のころ 急にしゃべれなくなり 歩けなくなった」と、生い立ちや病気を抱えながら生きる日々をつづって作詞した歌「ピンクの花が好き」が披露された。歌詞は次の通り。
◇ピンクの花が好き 作詞・前田恵美子さん
そう私は私らしく生きるだけ そうピンクのきれいな花が好き
人前で話をするのは苦手だけど でも子供は好きだから 話せるかなと思って語り部になった
チッソにはこれといった憎しみは無いけれど こんな私でよかったのかしら
3歳のころ 急にしゃべれなくなり 歩けなくなった
網元の漁師だった大好きなおじいちゃんは 9年間寝たきり たばこに火をつけるのが私の役目だった
潮風が吹く明神で生まれ育ち 近所の子供とままごとしたり学校ごっこしたり
小学校には少し遅れて入ったけど 親がいじめを心配したみたい
でも私は大丈夫 やられたらやりかえすから
そう私は私らしく生きるだけ そうピンクのきれいな花が好き
いろんな人たちと出会ったリハビリステーションセンター
まっすぐ歩く練習をしたり コップに水を入れる訓練をしたり あまりうまくできなかったけど ずいぶん勇気づけられた
そう私は私らしく あまりくよくよしないこと
チッソはどう思いますかってよく聞かれるけれど 私はいじめられなかったから
体は不自由になったけど 心は傷つけられなかったからかな 親がそういうことを心配して守られていたのかな
今はミサンガを作ったり 花を育てたりハウスでマンゴーも作ってる
写真を撮るのが好き お酒も好きだし歌も好きよ
そう私は私らしく あまりくよくよしないこと
そう私は私らしく生きるだけ そうピンクのきれいな花が好き 花が好き