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事件
【原子の灯50年】(中)福島原発事故、原子力ムラ…信頼失い十字架背負う
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だが規制委の運営には批判もある。今月22日に都内で開かれたシンポジウム。パネリストとして出席した原子力規制庁審議官の山本哲也(53)は数々の非難を受けた。
「事業者と十分対話されていないのではないか。活断層調査ではなぜあれだけ世間を大騒ぎさせたのか」
国際エネルギー機関元事務局長の田中伸男(63)はそう問いただした。大阪大大学院教授、山口彰(56)も「原子力に対する信頼回復は、事業者と規制者の健全な信頼関係が必要だ」と暗に規制委の姿勢に注文をつけた。
「専門家も入れて議論は尽くしている。独断でやるということはない」と場を取りなそうとした山本に、米原子力規制委員会元首席補佐官、ポール・ディックマンは「裁判官ではなく、検事になっている」と規制委の中立性を疑問視した。
再稼働への安全審査の進捗もまだ3割ほどと審査のスピードは遅い。このままでは今年度内の再稼働は絶望的だ。自民党幹事長代行の細田博之(69)は23日、同党会合の場で「規制委の審査は慎重すぎる」とくぎを刺した。
こうした批判に対し、規制委委員の更田豊志(56)は審査の遅れの原因は「事業者の準備不足」と説明した上で、「審査は単に基準を満たしているだけではだめだ。私たちはできる限り、事業者の姿勢や取り組みのあり方を見たいと思っている」と主張する。
規制委の厳格な姿勢は、福島第1原発事故後、原発事業者が背負った十字架があまりにも重いことを物語っている。=敬称略
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原発の安全審査 原子力規制委員会は現在、5電力会社から申請があった計7原発14基の原発の安全性を確かめる審査をしている。審査の人数は4チームで約80人。大規模災害やテロが起きても炉心が損傷することのないよう対策が取られているか、重要施設の下に活断層がないかなどを調べている。
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