警視庁、麻薬簡易鑑定で誤認逮捕　４時間後に釈放

　警視庁は２７日、葛飾署が麻薬取締法違反容疑で現行犯逮捕した埼玉県内の４０代の男性を、誤認逮捕だったとして約４時間後に釈放したと明らかにした。所持していた粉末を簡易鑑定でコカインと判断したが、詳しい鑑定でコカインではないと判明したため。

　警視庁によると、２６日午後１０時ごろ、東京都葛飾区の路上で乗用車に乗った男女を葛飾署員が職務質問した。男性が所持していた白い粉末を別の署員が簡易鑑定し、コカインの陽性反応を示したため現行犯逮捕した。

　コカインは簡易鑑定では判別できないケースがあり、簡易鑑定だけで現行犯逮捕しないよう警視庁が指導していることに署の上司が気付き、警視庁があらためて詳しい鑑定を実施。コカインではなく、麻薬取締法の対象とならない脱法ドラッグと判明し、２７日未明に男性に謝罪した上で釈放した。簡易鑑定した署員は警視庁の指導内容を知らなかった。

　警視庁は昨年３月にも、麻薬成分が含まれていない粉末を簡易鑑定でコカインと判断し男性を誤認逮捕した。