来年3月末で終了するフジテレビ系国民的長寿バラエティー「笑っていいとも!」。司会のタモリ(68)による電撃発表で“いいとも後”に向けての準備があわただしく始まった。一方で、活躍の場が減ることに芸人たちは気を引き締めている。
「22日の午前に『きょうのいいともは見ておくように』と声がかかった。その時点で察してはいたが、目の当たりにすると、一時代が終わった気分になった」
同局関係者は看板番組の「終わりの始まり」をこう振り返った。レギュラー出演者の所属事務所にも同日午前、同局から番組終了の連絡が相次いで入ったという。
1982年10月に始まり、エンタメブームを引っ張る形で人気が急上昇。88年4月29日には番組最高視聴率27・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。同局の黄金時代を支えた。
ところが、過去3年の平均視聴率は7~6%台に。それでも同時間帯ではトップクラスだが、この半年ほどは、ライバル番組に視聴率で差を付けられる日も増えていた。
演芸評論家の高山和久氏は「人気芸人やタレントにコーナーをまかす手法は裏の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)が取り入れ差別化ができなくなった。4月からゲスト紹介になった『テレフォンショッキング』も好評だったとはいいがたい」と分析する。
なぜこのタイミングでの発表だったのか。先の同局関係者は「3月末終了なら、普通なら年明けに発表。早めたのは年末と年度末に特別番組で盛り上げる狙い。後番組の企画はまだ固まっていないようで、公表したことで準備しやすくなる」と明かす。
そこで気をもんでいるのが、国民的番組に出演できる機会を失う芸人たちだ。「レギュラーに登用されると人気者になる法則を作った。明石家さんま、所ジョージ、関根勤をはじめ、いいとも青年隊だった野々村真、元チャイルズの磯野貴理子…と番組をきっかけに世に出たタレントも数多い」(高山氏)だけに、「いつかは『いいとも』のレギュラーに」と目標をもって活動してきた芸人やタレントたちも多かった。新番組は芸人を起用してくれる番組になるのか、気もそぞろだという。