福島第1原発事故で発生した高濃度の放射性物質を含む汚染稲わらについて、宮城県登米市迫町新田の十五丸地区で25日、一時保管の開始から市が当初の期限とした丸2年がたった。稲わらなど指定廃棄物の最終処分場建設に向けた国の作業が遅れ、期限を設けないまま保管が続く。「延長やむなし」とする住民の間からも、処分場の早期建設を求める声が上がっている。
十五丸地区は市内で最も早い2011年10月25日から一時保管を始めた。地区にある休耕田に建てた遮光性のビニールハウスで138トンを保管している。
十五丸地区を含む駒林行政区区長の田崎敏雄さん(65)は「保管延長はやむを得ないが、住民のほとんどが保管がずっと続くことには反対だ。一時保管が終わるよう、早く最終処分場を作ってもらいたい」と言う。
市は8月、十五丸地区など年内で保管開始から2年を迎える2地区の住民らを対象に説明会を開いた。23日には市職員が田崎さん宅などを訪れ、あらためて保管延長に協力を求めた。
布施孝尚市長は「保管場所の集約や変更は現実に難しい。一時保管を早く解消できるよう、これからも処分場の早期建設を国などに働きかける」と話す。
登米市では市内24カ所で計2235トンの汚染稲わらを指定廃棄物として一時保管している。十五丸地区を皮切りに、来年10月10日までの間に各保管場所で順次、保管開始から2年を迎える。市は24カ所すべてで保管期限を延長する方針だ。