カネボウ美白化粧品問題:情報管理体制に問題…花王社長
毎日新聞 2013年10月24日 06時45分
花王の澤田道隆社長は23日、毎日新聞のインタビューに応じ、美白化粧品で白斑被害を起こした子会社のカネボウ化粧品について「カネボウブランドを残し、グループ全体で安全安心を担保していく」と述べ、花王主導でカネボウを再構築する考えを示した。被害者救済に全力を尽くすことも強調した。
カネボウの美白化粧品を使用して、肌がまだらに白くなる白斑の被害が広がっている。澤田社長は「危機意識に欠けていた。もっと早く経営のトップに情報が伝わっていれば、どこかで対処できていた」と述べ、社内の情報管理体制に問題があったとの認識を示した。
花王は8月に品質保証と顧客対応の部門をカネボウと一体化。生産と研究の両部門についても14年1月に統合し、将来は販売部門も一体化する方針だ。組織再編の理由について、澤田社長は「問題に早期に対応するため、危機意識や情報の共有化を進める」と語った。
カネボウブランドの立て直しについては「原点回帰が必要。過去に愛されてきたカネボウの良さを生かしながら、再生しないといけない」と述べ、花王と一体となって信頼回復に努める考えを強調。研究開発にあたっては、化粧品の使用環境や使用状況についてあらゆるパターンを想定し、安全を担保する考えだ。
花王は7月、白斑問題により年間の連結売上高が100億円減るとの見通しを示した。その後も被害が拡大しており、影響額は「増えていく方向にある」と述べた。ただ被害者救済については「収束するまで支援する」として長期的に問題解決に取り組む姿勢を示した。【松倉佑輔】