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【プロ野球】

星野監督「則本は立派に投げた」

2013年10月27日 紙面から

日本シリーズ・楽天−巨人 8回、巨人・村田に本塁打を浴び、ベンチでグラブを投げつける楽天・則本(撮影・佐藤雄太朗)

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◇日本シリーズ<第1戦> 巨人2−0楽天

 イヌワシ党の祈りは冷たい夜空に消えた。仙台で初めて開催された頂上決戦。パ王者として臨んだ楽天が初戦を落とした。スコアボードには9つの「0」。先発の則本が無援に泣き、闘将は怒りをにじませた。

 試合後の会見。8回の亀井の好捕に質問が及ぶと、指揮官の顔がみるみる紅色に染まった。「ファインプレーかい、あんなものが!」。続けてその瞬間の感想を聞かれ、「そんなもんどうだっていい!」と唇を震わせた。

 積もりに積もった試合中のストレスが爆発。無理もない。本来なら、シーズン24勝無敗の田中が先発するべき初戦。しかし、エースは中4日での先発に難色を示した。そして、重要な初戦を託すことになった則本で落としたのだ。

 指揮官が「将来のチームを背負う」と評価する右腕は、気迫の投球で重量打線に立ち向かった。ただ5回に銀次の失策から先制点を奪われ、8回には村田に一発を浴びた。孤軍奮闘の若武者は「巨人の救援陣は強力。先に点を取られたらいけない」と悔しさを露わにした。

 それでも、8イニング2失点に収めた内容は悲観するものではない。日本シリーズの開幕投手を新人が務めるのは61年ぶり。星野監督は「これはもう、立派なもんだ。立派に投げきった。田中でもゼロじゃ勝てんよ」と則本を称賛した。やはり、敗因は攻撃陣に尽きた。

 特別な思いでタクトを振るった。指揮官として臨む10年ぶりの日本シリーズ。「セ・リーグにいたら、ここで巨人とやれることはなかった」。頂上決戦で、生涯の宿敵と相まみえる。そんな感慨も、わずか1試合で吹き飛んだ。

 星野監督にとって4度目の日本シリーズは4度目の黒星発進。これまで1度も制していない鬼門に、またもはね返された。「日本一」は名将に唯一足りないタイトルだ。道のりは険しい。しかし、これを乗り越えなければ、頂上にたどり着くことはできない。 (井上学)

 

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