厚生労働省は24日、2012年度の国民年金保険料の納付率が59.0%だったと発表した。前年度の58.6%から7年ぶりに改善したが、目標とする60%は4年連続で下回った。非正規労働者が増え、若者を中心に未納問題は依然として深刻だ。都道府県別では東京都や大阪府など大都市圏での納付率が低かった。
国民年金は自営業者らが加入する公的年金制度。保険料を給与から天引きされる会社員の厚生年金と違い、自ら納める必要がある。12年度末の加入者数は1864万人。11年度の納付率は過去最低を更新していた。12年度が小幅に上向いたのは、日本年金機構や業務委託している民間業者が連携を強め、全国で納付を催促したためだ。
もっとも納付率は日本年金機構が発足した10年から国が目標とする60%には届かなかった。1990年代半ばには80%台だったが、00年代に入り大きく落ち込んだ。低所得や年金制度への不信を背景に未納が広がったためだ。非正規社員の全雇用者に占める割合は11年に35.2%と過去最高になっている。
納付率を年齢別にみると、55~59歳は72.17%と高かった一方、25~29歳は46.79%にとどまった。年齢が若くなるほど、低くなる傾向にある。
都道府県別では、沖縄県が38.49%で最も低く、若者や非正規社員の多い大阪府(49.61%)や東京都(55.23%)が続いた。千葉県(56.8%)は前年から0.22ポイント下がり、都道府県別で最大の落ち込み幅となった。島根県(71.58%)や新潟県(71.4%)、福井県(70.34%)は高い水準を保った。
未納した分は年金の受給額に反映されないため年金財政への影響は限られるが、低水準の納付率が続けば制度自体の信頼が揺らぐことになる。未納者は将来、年金を受け取れずに生活保護を受けなければならなくなる可能性もある。
厚生労働省、国民年金、納付率、保険料
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