サムスン電子が25日発表した2013年第3四半期(7-9月)決算は、韓国企業で初めて四半期ベースの営業利益が10兆ウォン(約9160億円)を突破するなど、過去最高の業績を更新した。
売上高は前年同期比13.2%増の59兆835億ウォン(約5兆4100億円)、営業利益は26.1%増の10億1636万ウォン(約9300億円)、営業利益は17.2%で、いずれも過去最高だった。
過去最高の業績に最も貢献したのは、携帯電話端末を生産するIM(IT・モバイル)事業部で、売上高は36兆5700億ウォン(約3兆3500億円)、営業利益は6兆7000億ウォン(約6100億円)だった。第3四半期(7-9月)のスマートフォン(多機能携帯電話端末)販売台数は8600万台、タブレット端末の販売台数は1050万台だった。それぞれ8000万台、1000万台を達成したのは四半期ベースで初めてだ。
IM事業部の金顕俊(キム・ヒョンジュン)常務は「第2四半期(4-6月)に比べ、第3四半期はスマートフォン販売台数が10%台半ば、タブレット端末は20%台半ばの伸びを示した」と述べた。
半導体事業部も売上高9兆7400億ウォン(約8900億円)、営業利益2兆600億ウォン(約1890億円)と好調だった。韓国投資証券のソ・ウォンソク研究員は「昨年末以降、半導体価格が上昇傾向にあるため、第4四半期(10-12月)には半導体事業の営業利益がさらに1兆ウォン増える可能性がある」と指摘した。今年9月に起きた中国でのSKハイニックス工場火災で半導体価格が高騰したため、第4四半期の業績予想値はさらに高まった。
これに対し、消費者家電(CE)事業部とディスプレー(DP)事業部は、世界的なテレビ市場低迷の影響で、営業利益が減少した。CE事業部は売上高が12兆500億ウォン(約1兆1000億円)、営業利益が3500億ウォン(約320億円)、DP事業部は売上高が8兆900億ウォン(約7400億円)、営業利益が9800億ウォン(約900億円)だった。
ただし、来年第2四半期(4-6月)以降の業績については、見通しが不透明だ。サムスン電子関係者も、来年初めまでは好業績が続く可能性が高いが、今後事業環境が変われば、状況を楽観してばかりはいられないと指摘する。まず、第3四半期に営業利益全体の66%を占めたIM事業部の来年の市場見通しが楽観的ではない。国内市場は既に飽和状態だ。市場調査会社のストラテジー・アナリティクス(SA)は、スマートフォンの市場規模が昨年の3070万台をピークに今年は2630万台に減少すると予想している。
サムスン電子の韓国国内でのスマートフォンの市場シェアは70%に達する。世界市場全体を見ても、既に300ドル(約2万9000円)以上の高級スマートフォンの成長率は急激に低下し始め、高級スマートフォンの市場規模の伸びは、2011年の前年比59%から昨年は26%に鈍化。来年の伸び率は5%にとどまるとみられる。
高級スマートフォン市場をアップルと二分しているサムスン電子のIM事業部が現在のような営業利益率を維持するのは難しいとみられる理由はそこにある。