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TPPとTTIP 合意内容が世界基準 米通商代表 WTO先取りに意欲 (2013/9/13)

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 【ジュネーブ安達聡子】米国のフロマン通商代表部(USTR)代表は11日、世界貿易機関(WTO)本部があるジュネーブの報道機関に向けたビデオ会議で、米国が進める環太平洋連携協定(TPP)交渉と、欧州連合(EU)との貿易投資連携協定(TTIP)交渉に触れ、「WTO交渉を先取りする形でTPPなどの自由貿易協定(FTA)交渉が妥結できれば、合意した項目が事実上のグローバル・スタンダードになる」と発言し、FTA合意の多国間化に期待を寄せた。

 TPPとTTIPが合意すれば「世界経済の(国内総生産の)65%が自由化される」と強調した。その上で「(WTOの)バリ島閣僚会議の成否がどうであれ、米国はFTA交渉を粛々と進めていく」と述べ、バリ島閣僚会議に向けた協議では一歩も引かない決意を表明した。

 大型のFTA交渉が進展していることに対しては、WTOのロベルト・アゼベド新事務局長は9日の就任会見の中で、WTOに代わる新しい貿易体制の構築につながりかねないとの警戒感をにじませていた。

 フロマン代表は、難航している12月のWTO定例閣僚会議に向けたドーハ・ラウンド(多角的貿易交渉)の先行合意をめぐる協議のうち、税関手続きを簡素化する「貿易円滑化」に法的拘束力を持たせることなどを合意の最低ラインとする同国の立場を説明した。

 12月の定例閣僚会議では、ドーハ・ラウンドの議長案から抜き出す形で(1)農業の一部(2)貿易円滑化(3)後発途上国の開発支援策――の計3分野にテーマを絞って先行合意を目指している。

 同代表は貿易円滑化について、輸出入のコストを先進国で10%、途上国では15%程削減できるとする試算を披露し、先進国と途上国の双方で利益が得られる「ウィン・ウィンの合意だ」と強調した。

 米国などの先進国が貿易円滑化を強く求めているのは、途上国の税関手続きが突然変更されたりすることがあるためだ。一方、途上国は貿易円滑化にかかる技術協力と費用負担を強く要請している。

 また、法的拘束力を持つルールの作成が進むと、通商紛争でWTOへの提訴の対象になると警戒しており、調整は難航している。

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