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事件
阪急阪神ホテルズ偽装、“筆滑って”高いツケ 他の名門にも波紋
2013.10.24 08:30
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企業倫理を踏み外したのは、食材の安定供給の困難さと、業界を取り巻く厳しい環境があるようだ。
「九条ねぎのロティ」「ホテル菜園の無農薬野菜」。問題の料理は、大半が産地や栽培方法をあえてうたっていた。ホテル業界では、少し変わった食材で高級感を出すことは常識的なやり方だという。
九条ネギの主要生産地があるJA京都によると、ハウス栽培で通年出荷できるようになったが、供給量も少なく、台風の被害などで1袋数十円が200円以上になることも。阪急阪神ホテルズによると、メニューの開発当初は九条ネギを使っていたが、平成23年6月に提供を始めた後に入手困難になり、青ネギと白ネギに変えた。
「芝海老とイカのクリスタル炒め」には、バナメイエビが使われていた。シバエビは仕入れ値が1キロ2500円、バナメイエビは1400円だった。
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関西では数年前から外資系ホテルが相次いで進出。客の奪い合いが激化し、コストカットの圧力が高まっているという。ホテル業界誌「週刊ホテルレストラン」元編集長の村上実さんは、その影響で「ブラック企業化しているホテルもあり、風通しが悪くなっている」と打ち明ける。
宮城大学の堀田宗徳准教授(56)=フードサービス論=は「競争が厳しく、食材も安いものを使わなければならないとしても、顧客無視の企業の論理、コンプライアンス低下と言わざるを得ない」と話した。
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