全日本プロレス27日の東京・両国国技館大会で、3冠ヘビー級王座初戴冠を狙う第64代横綱曙(44)が25日、王者・諏訪魔(36)の致命的欠陥を指摘した。曙は手の内を明かしたことこそが誤算と鋭くエグった一方、驚きの秘策の存在を示唆。なんと諏訪魔の最強兵器であるラストライドだ。
真の王道マット最強決定戦を2日後に控えたこの日、曙が世界タッグ王座との5冠王となった諏訪魔の戦略ミスを暴いた。
「あのスリーパーを両国で初めて食らってたら危なかった。最初は大変だったけど、絞められるうちに対処の仕方を体が覚えた」
持久力に難を抱える曙の対策として諏訪魔が開発したのは、怪力をフル活用した「万力スリーパー」だった。初めて実戦使用された開幕戦(12日、後楽園)で曙は意識を失いかけたが、その後の前哨戦でも何度も繰り出された。その結果、曙には完璧な免疫ができたという。
その一方で、曙は諏訪魔に新必殺技「ヨコヅナインパクト(脳天杭打ち)」を一度も決めていない。「食らったら分かる。想像以上だと思う」。あえて温存したことで未体験のまま、3冠戦で被弾させた時の衝撃は計り知れなくなるというわけだ。
また脳天弾が仮に空砲に終わっても、意外な二の手を用意している。曙は「夢で見たんですよ。俺がラストライドを決めるところをね、フフフ…」と独特な言い回しでオキテ破りを通告した。
あながちデタラメな作戦でもない。脳天弾もラストライドも相手の頭部を太ももで固定し、胴回りをクラッチするのは共通した動き。ヨコヅナ弾と見せかけて、一気に担ぎ上げて叩きつけるラストライドに切り替えることも可能なわけだ。くしくも諏訪魔には屈辱的な脳天弾発射を示唆されており、戦略もプライドも打ち砕く一挙両得な逆オキテ破りとなる。
「どうぞスリーパーをかけてください」と準備万端の元横綱。夢にまで見たプロレス界の綱取りへ、不安はない。
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