巨人vs楽天の日本シリーズが26日、いよいよKスタ宮城で開幕。先陣を切って敵地の先発マウンドに立つのは内海哲也投手(31)だ。前回登板のCSファイナルステージ初戦(16日)では先発しながらも、4回に代打を送られて途中交代。その際に複雑な表情を浮かべたことや、シリーズで密かにマークしている意外な選手まで――。本紙評論家・前田幸長氏が決戦前のエースを直撃し、その胸中に迫った。
日本シリーズが予告先発となり、テツ(内海)と投げ合うのは則本に決まった。「僕が土をつけたい。何がなんでも勝ちたいです!」と意気込んでいた“無敗男”田中との対決はなくなったが、相手がルーキーであれ不足はないだろう。あえてポイントになる球種は、と聞くと、彼はこう答えた。
内海:右打者の内角直球。これがどれだけ投げ込めるかにかかっていると思います。これまで一球一球を間違えずに投げることでここまできた。その生命線になってきたのが右打者の内角直球。これが生きないと他の球種も生きませんしね。
さらに注意したい打者については、ジョーンズやマギーといった主軸ではなく、意外な選手の名前を挙げた。
内海:藤田ですかね。横浜(現DeNA)時代に打たれているんですよ。代打でも打たれてますし…。「いやらしい打者」という印象が残っています。
そしてもう1つ。僕が気になっていたのは“あの出来事”だ。東京ドームで行われた16日の広島とのCSファイナルステージ初戦。2点を追う4回二死満塁の場面でテツに打順が回ってきたが、ここで原監督は代打・石井義を起用。わずか64球で降板となった。
これからというときの交代だっただけに、エースとして屈辱に感じたかもしれないし「信頼されていないのか」と心が折れてしまいかねない。あれから1週間以上が経過したが、今の心境を打ち明けてもらった。
内海:あの翌日は、もどかしい思いがありました。でも、CSファイナルステージ第2戦で(菅野)智之が完封したのを見て、引きずっている場合じゃないって思いが芽生えました。
シリーズへ向け、しっかり気持ちは切り替わっていたので安心したが、最後にズバリ聞いてみたいことがあった。それは「ああいう交代があるということは、まだエースの域に達していないんじゃないか」。斎藤雅樹さんや桑田真澄さん、上原浩治ら歴代のエースがあのケースに直面したら「果たして交代していただろうか…」と思ったからだ。少々厳しい質問だが、テツは真っ向から答えてくれた。
内海:やっぱりエースは、あそこで代えられてはいけない。だから斎藤さん、桑田さん、上原さんの域に自分が達していないのはわかっています。でも「(その域に)達したい」という思いは常にあります。
心折れることなく、熱い思いを語ってくれたテツが、この日本シリーズでどこまでやってくれるか。とても楽しみだ。
26日に開幕する「一宮競輪開場63周年記念 GⅢ毛織王冠争奪戦」。東スポWEBでは、注目選手のインタビュー、本紙記者の推奨レース予想をセクシータレント香西咲ちゃんのスペシャルムービーとともに連日公開します。