【楽天、巨人を知る男 朝井秀樹の「おじゃまします」】
プロ野球の「コナミ日本シリーズ2013」が26日、Kスタ宮城で開幕し、球団創立9年目で初出場のパ・リーグ覇者の楽天と、セ・リーグを制し2連覇を目指す巨人が日本一をかけて激突。果たしてどちらのチームが今年のプロ野球の頂点に立つのか。グラウンド内外から目が離せない熱戦が繰り広げられるが、本紙取材班には“強力助っ人”が参加。楽天、巨人を知り尽くした男・朝井秀樹氏とともに、注目の大一番の舞台裏をお届けする――。
東スポ読者の皆さん、おじゃまします! アサイです! いよいよ日本シリーズが開幕しますが、今年は僕が現役時代に所属していた楽天と巨人の対決となりました。球界で最も伝統がある巨人に、最も新しい球団である楽天がどう立ち向かうのか。こんな夢のようなシリーズを見逃す手はない! ということで、皆さんに両軍の取れたて情報をお届けしていきたいと思います。
まずは両軍の“シリーズ対策”を楽天から。初の大舞台を前にロッカーはピリピリムード…かと思いきや、選手たちは意外にリラックスしていて驚きました。岡島は「絶好調です!」、銀次からも「気合と根性で頑張りますっ!」と元気のいい言葉が返ってきました。
とはいえ巨人は気合や根性だけで倒せる相手ではありません。そこで平石打撃コーチ補佐を直撃すると、きっちり巨人の“三本柱対策”を立てているではないですか!
早速、内海さんから参りましょう。平石コーチ補佐によると攻略のポイントは「右打者の外角直球系への対応」でした。「内海と山口は、右打者の外角には回転のきれいな真っすぐをあんまり放ってこないんだ。微妙にシュートしてくるから、惑わされて手を出さないようにしないとね。その上で真っすぐを狙っていくのか、カーブやスライダーを狙うのかはっきり決めていく」そうです。
杉内さんに対しては「チェンジアップは捨て球だね。(右打者は)インに入ってくるスライダーを思い切って引っ張れるかどうかじゃないかな」と明かしてくれました。
ところが最後、菅野の話を聞くと途端に表情が曇りました。「正直、厄介な投手なんだよ。とにかくサイドワークが抜群。阿部とのコンビの配球パターンを再確認しないと…」と、まだ具体的に対策が見つからないようです。菅野は第2戦で田中と投げ合う予定ですが、楽天が嫌なイメージを持っているのは確か。これは“番狂わせ”が起きるかもしれません。
一方、巨人で僕が聞きたかったのはやはり“マー対策”。強力G打線が無敗の田中に土を付けられるかが、今シリーズ最大の見どころといっていいでしょう。主力野手に攻略イメージを聞かせてもらいました。
まず高橋由さんは、さすがベテランです。「プロ野球のチームが1年間対策を練って1回も勝てなかった投手なんだぞ。簡単に打てるわけないだろ。開き直っていくよ」と語ってくれました。村田さんも同様に「ここまで来たら楽しんでやるしかないよ」だそうです。
ユニークだったのは阿部主将。「“ごめんなさい精神”だな」とひと言です。わけがわからず戸惑っていると「全部の球種を待っても打つのは無理。狙い球じゃなかったら『ごめんなさい』。これでいくよ」と種明かししてくれました。
僕自身、こんなにワクワクする日本シリーズは初めてです。この興奮を読者の皆さんに伝えられるよう、今後もどんどん両軍に“おじゃま”していきますので、よろしくお願いします!
☆あさい・ひでき 1984年1月1日生まれ。29歳。大阪市東住吉区出身。右投げ右打ち。高校時代にはPL学園のエースとして名を馳せ、2001年にドラフト1位で近鉄へ入団。04年オフのプロ野球再編に基づく選手分配ドラフトで楽天に移籍。07年に8勝、08年に9勝をマークして先発の柱となり、活躍。10年7月のシーズン途中に巨人へトレード移籍し、4勝1敗、防御率2・01の好成績を残してチームのCS進出に貢献。10年オフに現役を引退した。
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