朝鮮日報日本語版 10月26日(土)10時57分配信
海外に住んでいることを理由に被爆者への医療費支援を行わないのは違法として、韓国に住む被爆者と遺族が大阪府と日本政府を相手取り、医療費支給申請却下の取り消しを求めた裁判で、大阪地裁は24日、府の処分は不当とする判決を下した。原告は1945年に広島市で胎内被爆した李洪鉉(イ・ホンヒョン)さん(67)と、死亡した被爆者の遺族2人の計3人。原告は2011年、大阪府による医療費の支給申請却下は不当として訴訟を起こしていた。
李さんは1945年に広島に原爆が投下された際、母親の体内で被爆し、その後も頭痛や腎臓疾患などを患ってきたが、後に日本国内の被爆者団体の支援を受け、被爆者として認められた。李さんは韓国で支払った治療費を大阪府に請求したが、府側は「海外に居住する被爆者が海外の医療機関で治療を受けた場合、日本の国内法と同じ規定を適用することはできない」として申請を却下した。
日本は被爆者援護法に基づき、日本に居住する被爆者には治療費の全額を支給しているが、海外に居住する被爆者には助成事業として年間17万9000円までしか医療費の支給を認めていない。現在、日本国外に住む被爆者は4500人ほどとみられており、そのうち韓国人はおよそ2600人と半分以上を占める。大阪地裁による今回の判決が最終的に確定すれば、被爆者への医療費支援で韓国人を差別してきた日本の不当な慣行を正すきっかけになるだろう。
しかしこの判決は、韓国人被爆者たちがこれまで68年間にわたり受けてきた苦痛に比べると、非常に微々たるものだ。広島と長崎に投下された原爆による死傷者は70万人以上で、そのうち10%に当たるおよそ7万人が韓国人、うち3万人以上が後に韓国に戻ったとされている。彼らのほとんどは日本による収奪に耐えられず日本に渡り、強制徴用された人たちだ。韓国人被爆者たちは韓国に戻ったという理由だけで、日本人被爆者が日本政府から受けた補償や医療支援を受けることができなかった。しかも、被爆者として差別されることを恐れ、被爆の事実さえ口にせず生きてきた人も多く、その被害は子どもの世代にまで受け継がれるケースも少なくないという。
韓国人被爆者問題は1965年の韓日交渉をはじめとして、これまで両国政府間でまともに議論されてこなかった。そのため韓国人被爆者たちは韓国政府の支援も受けられないまま、日本国内で苦しい法廷闘争を続けてきた。しかしその後、韓国の憲法裁判所は2011年、韓国政府が日本軍慰安婦と被爆者問題の解決に向け日本と積極的に交渉すべきとの判決を下した。韓日両政府は両国での一連の判決を1日も早く行動に移し、韓国人被爆者とその家族の苦痛をやわらげるべきだ。
最終更新:10月26日(土)13時25分
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