能見は背番号「14」だけに、超えるならやはり「15」-【拡大】
湿気を一気に吹き飛ばした。乾いたミット音と軽快なかけ声がブルペンに響く。1メートル82の長身から繰り出される直球はうなりを上げ、カーブは急ブレーキを踏んだように勢いを殺した。能見2世-。岩貞の肩書に、偽りはなかった。
「(大学)2年秋にフォームがバラバラで、何か変えないとと思って。能見投手をお手本にして動画も何度もみました」
ドラフト1位指名から一夜明け、そぼふる雨の中、午後1時から練習を再開した。直球、カットボール、スライダーなどを織り交ぜ、約60球。セットに入るまでの下半身の運びやフィニッシュ、捕手から返球を受けるしぐさや、あごのラインまで能見の姿がダブった。
和田監督は前夜「能見を超える投手に!!」との直筆メッセージをドラフト会場の入場パスに書き込み、指名あいさつの際に手渡した。「能見超え」の明確なメッセージ。高い期待は今後、仮契約を経て入団発表までに用意される背番号にも表れていく。
岩貞の番号について、球団幹部は「まだ決まっていないし、気が早いですよ」と煙に巻いたが、「ドラフト1位にふさわしい番号? まあね」とうなずいた。