2012年8月23日、甲子園で春夏連覇を果たし、抱き合う藤浪(右)と森【拡大】
売られたケンカは、もちろん買う。甲子園春夏連覇を支えてくれた、かつての女房役が敵になった。リーグも分かれた。となれば、再会の舞台が日本シリーズなら、最高だ。藤浪が森との頂上対決に思いを馳せた。
「個人的な感情は入れるつもりはないですが、運良く交流戦でも日本シリーズでも何でもいいですけど、(日本シリーズで対戦)できれば」
前日24日のドラフト会議。「見ていました」と行く末を気に掛けていた母校の1学年後輩は、西武から単独1位指名を受けた。直後の会見で強肩強打の捕手は藤浪に対して、「ぜひ対戦したい。絶対に打ちたいですし、抑えられたくない投手」と宣戦布告。挑戦状をたたきつけられたとなれば、先輩が黙っているわけにいかない。
もともとライバルでもあった。中学時代、泉北ボーイズだった藤浪は、堺ビッグボーイズに在籍していた森に痛打を食らった記憶しかない。大阪桐蔭高入学後も紅白戦で幾度となく、やられた。ただ、ルーキーイヤーの今季10勝を挙げ、先発ローテの一角を担った経験も、自負もある。今度はプロの洗礼を浴びせるつもりだ。