ドラクエ10のディレクターが語ったMMORPGのお金の話
発言ソースは、2013/10/22に行われた、ニコニコ動画内でのドラクエ10公式生放送『ドラゴンクエストX TV バージョン1.5』第5回です。
最初から全文読みたい方はこちらから(注釈はありません)
→ DQXTV第5回ダイジェスト
→ 藤澤Dリアル夜話2その1 2000時間↑プレイヤーは何%?
語り手の藤澤ディレクターは、ドラゴンクエスト10ver1.5までのディレクターです。ドラゴンクエストシリーズの開発を手がけている現場の指揮官で、2013年12月でドラゴンクエスト10での主な役割を終え、次回作への準備に取りかかるようです。以前に、ゲーム業界人向けのカンファレンスにて講義した経験もあります。
関連:藤澤Dの講義番組あります。日本人のためのMMORPGの開発
以下、特に指定がない場合は藤澤Dの発言です。
番組アシスタントでタレントの椿姫彩菜さんの発言には椿姫「」、注釈には(※)をつけます。
続きを読むからどうぞ↓
↑あなたの1ポチでランクUP!
【前置き】
「これは、こういう風に説明しようと思っていろんな理論を組み立てて考えたんだけどたぶん、絶対誰もが納得する答えにはならないです、って先に言っておきますね」
「ただ、僕たちはこういう風に考えて世界を作っています、っていうことをお伝えします。お伝えするので、そこに対して、それはそうだと思う、そうじゃないと思う、っていうご意見が出てくるのは当然なので、聞かせて欲しいなと思います」
【ゲームのお金のバランスについて】
「従来のRPGっていうのはもちろん1人で遊んでいる、まぁドラゴンクエスト9は人と遊べましたけれども主に1人で遊んでたじゃないですか、1から9までのドラゴンクエストだと思ってください。これのバランスっていうのは要するにすごいシンプルに言っちゃうと、システムが生むお金とシステムが消すお金があるわけです。これの量が……この時間いま何時?」
椿姫「(放送時間は)大丈夫です! まだ」
「いや(そういう意味じゃなくて)、もう22時半なので、見ている人みなさん大人ですよね。大人は分かりますよね、ニアリーイコール=だいたい。システムが生むお金とシステムが消すお金がだいたい同じになるぐらいが、ちょうどいいんですよ」
椿姫「つまり、システムが生むお金というのはモンスターが落とすお金とかそういうことで、消すっていうのはなにか買ったり武器屋さんで買ったりっていうことですか?」
「そうですそうです」
「なので、システムが生むお金が多すぎると、なんかレベル上がったらお金ジャブジャブ余ってつまんねーよみたいな風になっちゃうし、システムが消すお金の方が多かったら、いつまで経っても武器買えなくてつまんねーよってなっちゃうから、これがだいたいニアリーイコールになるように作るっていうのが、今までのRPGにおけるお金のバランスでした」
「じゃあこれが、ドラゴンクエスト10はMMORPGですよね。MMORPGにおけるお金のバランスはどうなのかというと」
「これも当然、システムが生むお金とシステムが消すお金があるんです。あるんで、ここの間の記号も一緒です。ニアリーイコールなんだけれども、ただ決定的に違うところがあって、今までの従来のRPGはそれを1人のプレイヤーに対して帳尻が合ってれば良かったんですよ」
「だけどMMORPGの場合は、これが全プレイヤーで帳尻が合わなきゃいけないんです」
椿姫「むずかしい……」
「つまり、どういうことかというとさっき彩菜ちゃんが武器を買ったらお金消えるよねって言ったじゃないですか。だけどMMORPGってAさんがBさんから武器買ったって、Aさんのお金がBさんに移るだけでお金消えないじゃないですか」
椿姫「たしかに。武器屋に消えるわけじゃないですもんね」
「そうなんですよ。今までのRPGってシステムとプレイヤーしかいないからお金消すの簡単なんですよ。お金消すの簡単なんだけど、プレイヤー同士がやり取りをする世界だとお金をどんどんやり取りしていってもお金はどこも減らないんです。なので、システムがちゃんとお金を徴収しなければいけない、っていう今までのRPGには無かった考え方が出てくるんですね」
椿姫「なるほど~」
「なので、例えばバザーで手数料の5%が取られているとか、こないだver1.5中期公開初日にリーネが1日に10億ゴールド稼いで1日10億ゴールド稼ぐ女とか自ら煽っちゃうんだけど、とかっていってシステムがお金を消しているのは、つまり消した分だけシステムはお金を生める余地を生んだということで、リーネさんはそれだけ世界に貢献してるってことなんです」
(※リーネ : アクセサリの合成を担当する女性NPC)
(※アクセサリ : 顔や指などにつける装飾品。強敵からのレアドロップで入手する物が多く、特別な効果がある。プレイヤー間で取引することができず、自力で強敵を倒して入手する)
(※アクセサリの合成 : 同じアクセサリを複数個入手した場合、合成して能力を強化できる。必ずしもねらった強化ができるわけではないので、ドラクエ10のやり込み要素になっている。やり込みプレイヤー以外で通常に冒険する範囲内では、合成結果にこだわる必要はまったくないと筆者は考える)
椿姫「リーネさんすごい! 世界に貢献してる!」
「そうなんですよ。なので、これをちゃんとやっていかないといけないので、まず、システムがお金を取るっていうところはMMORPGの場合どうしても必要です、っていうことをまず分かって欲しいんです。これはシステムの利用料だけじゃなくて、たとえばシステムからしか買うことができない物、素材で言うところの妖精の火種とか」
(※妖精の火種 : ドラクエ10ではプレイヤーが職人になって武器防具を作成することができる。そのための素材はフィールドに落ちているものを拾ったりバザーで取引して入手するが、中にはNPCから買うことによってしか入手できないものがある。たとえば"はじゃのつるぎ"を1本作成するのに必要な素材は、ぎんのこうせき6個、ホカホカストーン3個、赤い宝石1個、妖精の火種2個。妖精の火種は1つ1000ゴールドでNPCから買うしか入手方法がない)
椿姫「あまつゆの糸とか」
(※あまつゆの糸 : 妖精の火種と同じく1つ1000ゴールドでNPCから買うしかない素材。特に裁縫職人に使用され"水の羽衣"などの材料になる)
「あと、ドルセリンもそう」
(※ドルセリン : ドラクエ10に登場する乗り物"ドルボード"の燃料。セグウェイに似ている。ドルボードに乗るとフィールドを1.4倍のスピードで移動できるようになる。1つ500ゴールド)
「要するにシステム的に言うと、システムからしか買えませんていう物が、システムが消すお金の役割を担っているわけですね。なので、ここがとっても重要で……なんかだんだんオレ池上彰みたいになってきてるんですけど(笑)」
椿姫「分かりやすい授業!」
「良い質問ですね~って言いたくてもうウズウズしてるんですけど(笑) 」
「なのでそういう風になっているので、今度は逆説的に言うと……もしもシステムがゴールドを消さなかったらどうなるか?」
【システムが消すお金について】
椿姫「エッ……みんな億万長者ですよ」
「そういうことです。それってどういうことかというと、世界にゴールドが溢れかえって物の値段が際限なく上がっていくんですよ。ということは、アストルティアの経済が崩壊するんですね」
(※アストルティア : ドラゴンクエスト10の冒険の舞台。世界の名前)
「たぶんシステムがゴールドを消すっていうことを緩めてしまった瞬間に、一ヶ月もしないうちに結晶1個が何万ゴールドになっちゃいます」
(※結晶 : 汗と涙の結晶。特に高レベルの装備を作成するのに必要な素材。モンスターとの戦闘を繰り返して結晶値がたまった装備品から取り出すことができる。すべてのプレイヤーに入手の機会があり、ゴールド稼ぎの手段として注目されているが、特にややレベルが低いプレイヤーほど入手しやすい仕組みになっている)
椿姫「そうなんだ……困る~~~」
「なので、そこで経済が一気にガターンと破綻してしまうから、そうしないようにちゃんとお金を消すっていうことをやっているのが、たぶんみなさんがカネトルティアじゃないか、っていうストレスを感じるひとつの要因になっているはずです」
(※カネトルティア : 金取るティア。アストルティアを揶揄したユーザーがつけた呼称)
椿姫「なんか経済学の勉強になってきてる」
「ただ、でもこれもさっきの1人で遊べるの? と同じで、たぶん問題の本質はそこじゃないよって思われてる方のほうが多いと思います。ただ、どういうわけか、なんかお金稼げないって感じるんですよ」
関連:藤澤Dリアル夜話2その2 DQXは本当に1人で遊べるのか?
椿姫「う~ん、まぁ、ぶっちゃけ、はじめの頃は感じましたけど。最近なんかお金稼げないって言ってる人は本当にちゃんとやってんのかなって思います」
「まぁね。そういう部分もあるんですけど、じゃあなんでそう感じるのかっていうと、僕らは日々アストルティアの経済バランスっていうのもとっているんです。じゃあアストルティアの経済バランスをとるって、具体的にどういうことをやってるか、っていう話なんです。それはどういうことかというと……」
【経済バランスのとり方】
「開発がとっているバランスはたった2点だけなんです」
「ひとつはゴールドの供給量。要するにシステムが生むお金がどのぐらい生むかっていうところの量の配分。2つ目は、お金を生むのは誰か、ということなんです」
「なに言ってるのか微妙にたぶん分かりづらいと思うので、お金を生むのは誰かのところを詳しくお話しましょうか」
「詳しくお話すると、昔からドラゴンクエスト10で遊んでいただいている方は記憶にあるかもしれませんけれども、ver1.1で強モードボスっていうのを実装したんです。そのとき、強モードボスがオーブを落とすんです。オーブを取れるプレイヤーだけがお金持ちになれたんです」
椿姫「そうですね、たしかにそれはありましたね」
(※強モードボス : 強ボス。やり込みプレイヤー向けに用意された強敵。倒すと討伐報酬として各色オーブが得られる。1つにつき5000~1万ゴールド程度で取引されている)
(※オーブ : 今作におけるオーブは武器防具の素材として利用される。例えば"聖騎士の大盾"を1つ作成するためには、せいれいせき5個、みがきずな60個、汗と涙の結晶60個、イエローオーブ5個、妖精の火種24個が必要)
【誰がお金を生むか】
「つまり、誰がお金を生むかっていう問いかけに対して言えることは、強いプレイヤーだけが稼げた時代なんですよ。で、これでやっぱり、結局じゃあ強くないとダメじゃないかっていうところで、ものすごいガチにやって時間かけなければ稼げないからつまんないじゃないか、っていうご意見たくさんあったんですよ。なのでver1.2でハンドルを真逆に切ったんです」
「なにをやったかというとふくびき所を実装しました。ふくびき所を実装することによって、これは言わば弱いプレイヤーでも誰でも運があれば稼げたんです」
(ふくびき所 : ふくびき券1枚で1回引ける。世界各地にあるクエストをクリアすることによって、1日に6~8枚程度のふくびき券を入手することができる。特等のスライムハウスは数百万ゴールドで取引されるが、滅多に出ない)
椿姫「ね、ボスコインが当たっちゃえば……」
(※ボスコイン : ふくびきの景品。種類によって7万ゴールド~28万ゴールド程度で取引される。使うとコインボスと対戦することができ、倒すと貴重なアクセサリが入手できることがある)
「そういうことです。要するに、誰でも稼げる世界に変えたんですよ。で、今度は、強い人と運、っていうと極端じゃないですか。あんまりに極端だったんで、ver1.3で日替わり討伐を入れたんです」
(※日替わり討伐 : 毎日ランダムで決まる討伐モンスターを退治すると、ゴールドか経験値の報酬が得られる。討伐対象モンスターはプレイヤーごとに異なり、だいたい40分程度の時間をかけて2万ゴールドの報酬を得る場合が多い。報酬がおいしい討伐依頼を引いたプレイヤーは、他のプレイヤーに討伐依頼を販売して儲けることもできる。その場合、1日で数百万ゴールドを稼げる場合もある)
「これはどういうことかというと、プレイヤーの強さと時間で比例して、適度に稼げるシステムなんですよ」
椿姫「うんうん」
「っていうのをver1.1~1.3でやることによって、どのプレイヤーも適度に稼げる世界に徐々に変えていったっていう歴史があるんです」
「で、ver1.4では日替わり討伐で稼げるゴールドをすごく厚めにしたんですね。さっきの2つのバランスをとってますっていうことのひとつめのほうの、ゴールドの供給量を増やしたんです」
「なんでかっていうと、それまで一生懸命やってもゴールドが稼げない稼げないっていう声が多かったんで、ゴールドの供給量を増やすと、結果的にインフレが起こって物の値段が上がるってことは絶対そうなるって分かってたんです。分かってたけどやりました」
「その結果、いまたぶんみなさんがバザーとかで見ていただくと分かると思うんですけれども、結晶ってだいたい1300~1400ゴールドですよね」
椿姫「うんうん、そうですね」
「僕らの目安では、結晶って1000ゴールドぐらいになるかなぁって思ってたんです」
椿姫「あっ……へえ~~」
「ただ、それが実際にプレイヤーの方々がお金を持っている量が増えちゃった、インフレをしていることが、そのプラス30%~40%ぐらいのことになっている、と。ただ30%~40%っていうのは、まだぜんぜん許容範囲だと思っているので、この辺の状況を見ながら、今後もゴールドのバランス調整はしていきたいなと、思っています」
椿姫「みんなが求めるお金の量が多いのかな? なんかあたしちょっとね、激しいこと言いましたけど本当に真剣にそう思ってて。はじめは(お金が)無かったけど、いまは日替わり討伐をやって、強ボスツアー行って、職人のちょこっと日課とかやってるだけで、けっこう1日に何万ゴールド貰えるじゃないですか」
「そうですね。ただ、そこにたぶんこういうストレスがあるんです。どういうことかというと、おさらいになるんですが……」
「最初強いプレイヤーだけが稼げる世界だったものが、多くのプレイヤーに対して稼げる機会を均等化しましたよね。均等化するとなにが起こるかというと、今度は結果的に強いプレイヤー層に負担がかかるんですよ」
椿姫「ああ~~、そういうことか!」
「そういうことなんです。なんでかっていうと、要するに、オレたちスゲーがんばって稼いでるのに結局コインとか買わなきゃいけないのオレたちじゃねーか、みたいになるわけですよ。」
椿姫「う~ん」
「なので、強いプレイヤー層に負担がかかっていて、そこに不満があるっていうことを僕たちは承知しています。承知しているから、次のことを考えています。ここからよく聞いてくださいね。いま、こういうことをやろうとしています」
【ボスコインの販売開始】
「一部のボスコインを、店での販売を始めます」
椿姫「エエッ!?」
「始めます。どこで売るかといいますと、こちら、分かりますかね」
椿姫「エエッ!? いいの? エエッ??」
「やりますよ。オルフェアの奥の裏路地にあるところで一部のボスコインを売り始めます。で、一部のボスコインて、なにかっていうことを言っちゃいますね。アトラス・ベリアル・バズズ」
(※オルフェア : プクリポという種族で始めた場合、最初に辿りつく大きな町)
(※アトラス・ベリアル・バズズ : ドラクエ2のボスキャラだったが、今作ではコインボスとして登場。それぞれ攻撃力が上がるアクセサリ、致死ダメージを受けた際に生き残る確率が上がるアクセサリ、定期的にMPが回復するアクセサリを討伐報酬として得られる場合がある)
椿姫「あっ……えっ、なんかすごい。いきなり過ぎてびっくりしてるんですけれど……」
「そうでしょ? っていうことをやることによって、いまちょっと過剰に強いプレイヤーの方々に負担がかかりすぎている部分の緩和をしていきたいなぁというように考えています」
「で、じゃあ、いくらで売るんだよ!? と」
椿姫「たしかにそう、そこですよ問題は……いま相場だとアトラスなんてけっこう高いですよね」
「アトラス18万とかするじゃないですか。で、これ言うとドバーンと相場に変動が起こるので……聞こうかなぁ~……と。ここで言ったほうがいい?(笑) 」
椿姫「ちょっとこれは……っ」
「で、先に言っておきます。え~と、66.7%以上の人が賛成したらこの場で言います。66.7%に満たなかった場合は、今日言いません。別の機会に言います」
椿姫「そのパーセントはなんなんですか?」
「まぁやっぱ、過半数で分けるべきじゃないなと思って、三分の二の賛成があれば、大半ぐらいであろう、という判断を……」
椿姫「なんか、コメントが半々に分かれてる! え、言わない方がいいっていうのはどゆこと? 高いうちに売っちゃったほうが……っていう。たしかにね、コイン抱えてる人もいるだろうし」
「これ66.6%をしきい値にするんで、66.7%だったら言います。66.6%だったら言わないです」
椿姫「ちなみに、メタスラのコインやはぐメタのコイン、メダル王コインなんかは?」
(※メタスラのコイン : 使うとメタルスタイムが出現し、経験値がおいしい)
(※はぐメタのコイン : 使うとはぐれメタルが出現し、経験値がおいしい)
(※メダル王のコイン : 使うとわらいぶくろが出現し、倒すと小さなメダルが1枚手に入る)
「(それらのコイン)は、販売する予定は無いです」
椿姫「となるとふくびき、グレンから……あの消えるわけですか?」
「(アトラス・ベリアル・バズズは)消えます、消えます。はい、じゃ結果出たそうですどうぞ」
(※グレン : オーガという種族で始めた場合、最初に辿りつく大きな町。交通の要所となっており、普段から多くのプレイヤーが集っている。ふくびき所の景品は大陸ごとにちがい、この町のふくびき景品がボスコインになっている)
【ボスコインの価格】
椿姫「ああ~~~、言ってもいいが越えた!!」
「ですよね。じゃあさすがに大半ということになってると思うので、じゃあ言ってもいいということだと思うので、値段言います」
「アトラスコイン・ベリアルコイン・バズズコイン、3種類1枚75000ゴールドです」
椿姫「安い」
「かな?」
椿姫「まぁベリアルはちょっと……アトラスは、断然、でもだって」
「ですね。これ、ver1.5後期からやりますので、後期からいまの3種のコインの値段上限が、75000ゴールドになりますよ、ということはお伝えしておきますね」
椿姫「は~~~、これ、みんなどう? コメント。高って人もいれば安いって人もいるけど安いが圧倒的……」
「まぁたしかに、いまの相場より安いからね」
椿姫「ってことは、ふくびきはまた入れ替わるってことなんですかね? 3つ抜けて……」
「ふくびき景品の内容は入れ替わります、はい」
椿姫「スゴーイ、びっくりー」
「で、ですね。必ずこのカネトルティア的な話になってくると、質問で多いものもちゃんと、そこ逃げんのかよって言われるのもイヤなのでこの話もしていきたいなぁと思うのですけれども」
【装備の必要素材は世界の縮図】
「上位装備の必要素材が多すぎないですかと。あの、ここ(DQXTV)の職人イベントは楽しくなっちゃうんだけど(笑)」
(※上位装備の必要素材 : 最高にレベルが高い装備を作るために必要な素材を計算すると、盾ひとつ作る原価が20万ゴールドとかになってしまう。その原価20万ゴールドかけて作った装備にも失敗品と大成功品があるので、失敗品だと数万ゴールド、大成功品だと100万ゴールド以上になったりする。より強い装備を買い求めることはやり込み要素のひとつになっているが、やり込みプレイヤー以外で通常に冒険する範囲内では、装備の大成功品にこだわる必要はまったくないと筆者は考えている)
椿姫「結晶×99とかありますもんね」
「これに関しては、結局、上位装備の必要素材というのが、世界の需要を生んでるんですよ。なので、世界の経済っていうのはいま次のディレクターになるりっきーを中心に、僕も相談しながらどれぐらいでやっていこうかっていうことをかなり真剣に考えているんですけれども」
(※りっきー : 12月5日開始のドラクエ10ver2.0からディレクターを担当する齊藤力氏。プロデューサーの齊藤陽介氏と名字が同じなため、区別するためにりっきーという愛称で紹介されることが多い)
「みなさん考えていただくと分かりやすいかと思うんですが、必要素材って、オーブっていうのは強い人が稼げる、結晶っていうのはコツコツやった人が稼げる、その他のキラキラを拾ったりとかっていうのは弱い人でも誰でも稼げる、と。要するに上位装備の必要素材って、この世界の誰が稼げるかっていうことの縮図なんですよ」
(※キラキラ : フィールドマップに落ちている素材は、キラキラした見た目で表現されていることからキラキラと呼ばれる)
椿姫「たしかにそう言われてみれば、草とかもいっぱい要るけどそれだったらみんなキラキラで拾って売れますもんね」
「そうなんですよ。だからみんながちゃんと稼げるように、っていう。アストルティアの経済、誰がこの世界で稼げるかっていう縮図として作っていて、それのどのぐらいの量必要なのかっていうことは、たしかに多いなって感じられるのは分かるんですけれど。これぐらいが適正だと思って、ちゃんとデータを考えて作っていますということをお伝えしたいなと思っています」
椿姫「なるほど~たしかに~」
「でも、こんなこと言ってももうみんなコインのバザーの話しかしてない(笑)」
椿姫「もうね、アトラスがバザーで暴落してるらしいんですよちょっと早いよみんな(笑)」
「ですよね」
椿姫「でもたしかに思いました。あたし同じチームに始めたばっかの人がいて、エルトナスイセンを拾っていま高くて」
(※エルトナスイセン : 素材はモンスターを倒して入手する方法とフィールドマップで拾う方法があるが、エルトナスイセンはフィールドマップで拾う方法でしか入手できない素材のひとつ。時価ではあるが、現在ひとつ800ゴールドで売れるので手軽でおいしい)
「それで相当稼げるじゃないですか」
椿姫「そうそれを喜んでて、ちゃんと毎日拾いに行ってて、あっこういうのがあるからみんなちゃんとお金まわるんだなっていうのはたしかに思ったんですよね」
「そういうことですね」
(※以上、ドラクエ10を未プレイのみなさんに向けた注釈つきの記事はこれで終わります。数万ゴールド数百万ゴールドという単位が記事中に出てきましたが、宿屋は1泊10ゴールドだし、やくそうは1個8ゴールド、MP回復アイテムは1個50ゴールドです。
繰り返しになりますが、やり込みではなく通常の冒険をする範囲内であれば、大きい額のゴールドはまったく必要ないと断言できます。いまからでもぜんぜん大丈夫なので、興味をお持ちの方はドラゴンクエスト10へのアクセスをお待ちしております)
その他の発言内容も確認したい方はこちらから
→ DQXTV第5回ダイジェスト
→ 藤澤Dリアル夜話2その1 2000時間↑プレイヤーは何%?
- 関連記事
- ドラクエ10のディレクターが語ったMMORPGのお金の話 (10/25)
- 奇跡的コメント。BP安西さん記事その後。コーエーの良心 (09/20)
- BP安西崇さん 黎明期からひたすらネトゲ開発 電撃王インタビュー (09/18)
- バトルプランナー安西崇氏は何者か。 (09/16)
- スタッフの反応自体がエンターテインメント。開発・運営だより第11号 (09/03)
| スタッフネタ | 15:57 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
長文の記事起こし、本当におつかれさまでした。
みなさん真剣に考えてつくりこんでいるのが、ヒシヒシと伝わってきました。
この思いに応えるべく、もっとプレイせねばw
| バルゴ | 2013/10/25 19:21 | URL |