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司会:第二部はですね、先ほど基調講演をいただいた、武雄市の樋渡市長、そして横須賀の吉田市長、そして神戸リメイクプロジェクトの樫野孝人さんによるパネルディスカッションになります。その三人方をモデレートしていただく吉川さんのご紹介をします。神戸生まれでして、住友信託銀行に入られ、東京・六本木のミッドタウンにある超高級セレクトショップ、世界一の顧客単価を誇るリステアという会社の副社長をされておりまして、その副社長を退かれたあとにですね、日本の文化を世界に出していこうというクールジャパンの活動をされておりました。そんな吉川さんにこの度モデレーターというかたちで司会進行していただきます。それでは吉川さんどうぞよろしくお願いします。
吉川氏(以下敬称略):どうも吉川です。よろしくお願いします。なんか今の僕の紹介で、リステアとかクールジャパンとかいう話があったんですが、単純に今はフリーターです。ですから僕はめちゃくちゃ自由です。結構神戸でもやってたんですけど、神戸だめだなと、なんか街も面白くなくなってくるし、自分の好きなことやりたいんだったら、東京の方がいいなってことをどんどん思うようになったので東京に住みました。そしてそのあと、東京よりもっと面白いところあるよな。東京もやっぱ最近元気ないなと。やっぱり上海や、ということで、上海でフリーターとして好きなことばっかりしながら、遊びと、ちょっとだけ仕事と。そうこうしてるうちに、なんか最近ちょっと神戸、気になるなってことで、ちょこちょこ戻ってきたりしてる中で、神戸のこともう一回ちゃんと考えてみたいな、みたいなことで今日に至っています。
で、今日やるテーマ。「バカもの市長」、すみません。すみません。「バカもの市長」というタイトル付けさせてもらったんですが、快くオッケーいただいて、今回スタートしています。今日の趣旨は、型破りな個人、異端者、よそ者、そんな人たちが集まってくる。あるいは乗り込んでくる。ただし、熱さみたいなものあるなあと。先ほどもちょっとお聞きしてて、熱さをすごい感じるなと。で、地方自治体。ここについてはやっぱり伝統とか経験とか培ったものがある。ただし、こちらもなんか、やっぱちょっと変えたいなっていうような新しい何かを求めているものを最近感じます。ちょっとはちゃめちゃな人、もしくはちょっと堅いんだけど、本当は中を変えたいと思ってる自治体。こういう方々が一つ組織として一体化したら新しいことができるんじゃないか、ということを自分の頭ん中でイメージしてきました。組織というものがあって、ここに個人、ちょっと変わった個人ですね。ちょっとエネルギーのある個人が、出たって。ちょっとここでゆらぎが起きてくるのかなって。組織に対してこういうふうに揺らぎが起きてくるのか。結果、こういう大きな組織でも揺らぎがどれだけ広がるのかな、それで結果いろんなことが起きてくるのかなっていうのを、ちょっと今日はやっていきたいなと思います。
それでは今日、お三方のパネリストをお呼びしております。お一人目はもう先ほどお話しをいただいた樋渡さんです。実は、ツタヤの図書館をやった市長っていうイメージがあったんですが、何ですかこれ、イノシシ課とか、Twitter学会、なんかいろんなことをやられてるんだなって。多分これ、先ほどもお聞きしてわかったと思うんですけど、やっぱり勢いとか熱さがすごいある。こういう方が、さっきの型破りで、エネルギーを持った個人だなと思います。はい。それではまずお一人目、樋渡市長よろしくお願いします。続きまして、樫野さん。僕のほうは、樫野さんと仲良くなったっていうのまだ実はこの半年くらい。すごい印象のあるのは、住吉神社のだんじり。これに一緒に出ないかって誘われて。祭りがおもしろそうなんで出ようかなって思って一緒に出たんですが。僕47、樫野さん50。僕初めて、樫野さん二回目って言ってましたので僕はだんじりを一日押すんがしんどくてしんどくてへたりこんだんですが、樫野さん見ると、顔はにこやかにずーっと押してたなっていうのがあって、この人と一緒になんかいろいろとやってみるの面白いなっていうので、会っていろいろ会話してます。で、やっぱり、今回二度目の挑戦を表明と言うことなんですが、ぜひぜひ今日は、考えられること、僕もすごい気になるんで聞いてみたいなと思います。
お三方目ですが横須賀市の吉田市長さんでございます。横須賀は、今強いと言われてる政党の、強い方の徹底的な応援を受けた対抗馬を相手に、二期目の吉田市長の選挙。つい先日6月30日ですね。それで再選された。ここの話題ってやっぱりどうしても僕は聞きたいことがありまして、「勝った」という報道もあるんですが、要はなんで無所属の吉田市長の再選を選んだのか。僕は、市長として何をされてたんですか。何が本当に評価されたんですかみたいなことをご本人からちょっとお聞きしたいなと思いまして。すみません。よろしくお願いします。
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「神戸市長は64年間官僚出身の市長が続いてるらしいですが、横須賀は36年間続いてきました」(吉田)
吉田氏(以下敬称略):皆さんこんにちは。よろしくお願いします。で、吉川さんすごい気を遣っていただいて、横須賀というと、あの有名な政党の有名な方がっておっしゃってましたが、皆さんご承知の通り、自民党の小泉進次郎さんという方がいらっしゃいまして、対立候補の方の選挙対策本部長に就かれてました。で、そういった選挙構造の中で当選させていただいたんですが。四年前ですね、私市長になったときも同じような構図でした。対立候補が現職の市長さんでその応援に普段自分の選挙のときには一度も帰ってこないくらい安泰の選挙をやってこられた小泉純一郎元首相が、5回くらい選挙の応援に対立候補のところに入る。そういう選挙の構造で、神戸市長は64年間官僚出身の市長が続いてるらしいですが、横須賀は36年間続いてきました。半分くらいですね。その結果、3130億円くらい市民一人あたり、77万円くらいの借金が、積もり積もっている。じゃあどんなものが残されたかっていうと、大きな箱物と高齢者の皆さんや子育てをしてる人たちが生きていく上で生きづらさを感じるような課題とかですね、残されてしまって。そんなことをなんとか変えてくれって気持ちで四年前なんとか当選させていただいて、私は地道に借金を130億円削減したりですね、高齢者のための施設を作ったり、虐待で親と暮らせない子ども達の生活するための施設を作ったり、そんなようなプロセスを今回の選挙戦でも訴えてですね、大変厳しい選挙でしたけれども、当選をさせていただいた。そんな自己紹介に換えながら、この質問に答えたいなと思います。
吉川:ありがとうございます。ちょっとあと僕が気になったのは、組織があることとないことなんですけど。普通考えたら組織がなくて、なんで大丈夫なのと。個人一人じゃ全然力になんないじゃないのって、これすごい気になるところで。これいかがですか、このへん。
吉田:組織あった方がいいですよ。選挙になればそりゃね、組織あった方がいいです。でも残念ながら、四年前も今回もそんなに組織がついてくれなかった。そういう状況の中からスタートするためにはやっぱり個人の方々の力に頼るしかない。じゃあなんで組織がつかないのか。やっぱり、既存の組織についてほしいっていう気持ちが先に立ったら、やっぱり改革はできなくなってしまいますね。基本的に既存組織が、選挙のときにどう動くかっていったら、やっぱり自分の持っている利益をどう確保することができるか、そういう行動原理で動きますから、これは当たり前ですよね。だからそれ以外のことをやろうとしている場合には一人一人の思いに訴えなきゃいけなくなる。大丈夫かっていったら、かなりおぼつかないところはありますけど、それでもやらなきゃいけないことがあるんだっていうことです。
吉川:選挙用の写真が自転車になっていますが、自転車でずっと活動されたんですか。
吉田:市長になる前は市議会議員やってたんですけど、市議会議員の選挙の時も選挙期間一週間は自転車に乗ろうと。市役所に自転車で通ったり、たまにしてますけど。基本的には選挙は自転車に乗ろうと決めてやってました。
吉川:僕からもう一点。首長ってアイデアがあればそれを実行できるよねって。これすごい素晴らしいことなんですが。実際、何が違うんでしょうか。この数年間のことを吉田市長にお聞きしたいなって。
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「僕ら九州の果てまで、やってるやってるとか、ああ吉田さんが戦ってるって聞きました」(樋渡)
吉田:例えば、派手なことでいえば、L'Arc-en-Cielって皆さんご存じの方多いと思うんですけど、そのL'Arc-en-Cielの結成20周年の企画展を横須賀美術館で行ったんですね。美術館でですね。美術館のこうあるべきっていうのを昔から持ってる皆さんは、美術館でラルク?そもそもなんだと、ラルクっていうのは。そんなようなことから議論をしなければならないわけで。ちょっとシンボリックに話せば、美術館を本当に既得権益として守りたい人には応援してもらってなかったわけですから、そういったことを自由にできた。そういうところが、やっぱり違うところなんじゃないかなと思います。
樋渡氏(以下敬称略):だから、既存のところにあんまり応援されると僕ら気を遣わなきゃいけないっていうのが普通の首長なんですよ。だから僕も気を遣うとこないですよね。だから思い切ったことができるんですよね。だからラルクやってるって。僕ら九州の果てまで、やってるやってるとか、ああ吉田さんが戦ってるって聞きましたので、それだけでも波及効果ってのはあると思うんですよね。どこでもあるような美術展あっても行かないもんね。横須賀まで。
吉川:確かにそうですよね。
樋渡:ラルクだったら行こうって思いますもん。だって。うちもそうなんですよ。図書館あれやったじゃないですか。どこにもないことやったから全国から山のように人が来てるし。でもね、ものすごかったですよ。脅迫状も怪文書も山のようにもらいましたから。
吉川:それはやっぱり反対。
樋渡:もう反対。やっぱり自分たちの既得権益が侵されるとかね。だからすごかったですよ。本当。ただの図書館で。
吉川:やっぱりあれですか。組織に属してる、いろんなものをバックボーンに持ってるっていうのは、結局そういうときに一番動けなくなる。個人だと関係ない。
樋渡:うん、そうそうそう。だから個人だったら関係ないし、僕は自分党ですから。自分民主党。だからこの指止まれが一番いいんですよ。
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「ゴールイメージは決めてるんだけども、抵抗勢力を省いていくのに結構時間がかかるんですよね」(樫野)
吉川:ちょっと樫野さん今のお話をお聞きしながら、ちょっと広島の件で今みたいなことを新しく相当やられてたと思うんで、そのへんのところを教えてください。
樫野氏(以下敬称略):これもだいぶもう、「おしい!って何事や」って相当言われましたね。特に議会に。自分の県をおしいとは何事やと、相当言われましたね。県庁内もそうでしたし、自虐するってどういうことやねんって相当もめて。で、最後は本当に周り固めて押し切ったってみたいな感じでしたよね。あれは。
吉川:これはネームを決める段階から。その前からですか、やっぱり。
樫野:プロモーションするのは決まってたんですけど、このキャッチコピーが出てきたくらいから相当もめましたね。はい。
吉川:これやっぱりこう、押し切っていくところっていうのは、なんで押し切って最後までできたかっていうところで。ポイントは何。
樫野:一つは外堀埋めていったんですよ。県だけでやったんじゃなくて、市の観光課の課長とか全部巻き込んで、目標すり合わせていって、議論を詰めた上で最後、中途半端な出し方をせずに、キャッチコピーとビジュアルと映像をどんと見せて、「これなら文句ないやろ」というふうに完成形を見せていったんです。あとはこんだけの面白さと、有吉さんのキャラクターでいけるんちゃうんかなって。こんな感じでしたね。
吉川:やっぱり県知事のリーダーシップってのもあったんじゃないですか。
樫野:最後はそこが後押ししてくれなかったら無理ですよね。
吉川:そうですよね。最後の知事のところで、どうなのって。
樫野:「う~ん」って言ったら、無理ですからね。
吉川:なんかこういうので、パッと思ったことやっぱ実行するスピードって相当大事ですよね。
樋渡:そうです。スピードは最大の付加価値です。だってチーター走るとき準備運動しないもん。意味ないじゃないですか、会議ばっかりやってスタートライン立てるときに疲れ果ててるんだから。だから、最初からトップスピードでかかんないと、物事変わんないっすよ
吉川:なるほどね
樫野:ゴールイメージは決めてるんだけども、抵抗勢力を省いていくのに結構時間がかかるんですよね。
吉川:本当にやっぱりそうなんですか。とはいってもみんなわかり合えるんじゃないのってあるんですけど。ない?
樋渡:わかり合えません。じゃないとね、リコールなんて受けないですよ。しかも誕生日の日に。わかり合えないっすよ。
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「特にとんがったものほど確信持てる人って行政マンにいないんですよ。僕ら民間人だったら絶対いけるって確信はあったけど」(樫野)
樫野:一個あったのはね、一つ成功するとみんな乗っかってきますね。これは。
吉川:それはどういうこと。
樫野:要は、これが当たると二発目、三発目はみんな喜んで乗っかってくるからすごくやりやすい。
樋渡:それはある。だから病院で当たったんで、図書館はそこまで抵抗はなかったんですよ。むしろ病院で抵抗してた人たちが、俺たちがこれやったんだぞ、って言い始めるもんね。
吉川:なるほどね。わかり合えないのに。ということは結果がものすごく大事。
樋渡:そうそう。結果がすべてだと思いますね。だからそれは基礎自治体っていうのは結果を見せつけることができるんですよ。これがたとえば、県とか国だと結果を見せられないですね。これはもう仕方ないですよ。でも基礎自治体だとたとえば美術館でラルクやるとか、僕はツタヤと組むとか。今度はおしい広島県とかっていうのを見せつけることができるじゃないですか。これは県ですけど。見せつけることができるじゃないですか。そうすると人の気持ちって変わってくるんですよ。やりやすい。
樫野:これに踏まえて、これは大ネタやったんで、ここに至るまでにポテンヒットをいっぱいやっといたんです。その前に。
吉川:ちょっとちょっと、そのへんいってみようよ。
樫野:小さないくつかのネタの成功例をぐーっといっぱい作っといて、最後に大ネタでドンとホームラン狙いにいった感じですね。
吉川:なるほどね。やっぱりそういうのってこう、順番があって最後に大きな、、、。
樫野:周りの納得感ですね。こういうのって当たるかどうか最後分からないから。みんなもね、特にとんがったものほど確信持てる人って行政マンにいないんですよ。僕ら民間人だったら絶対いけるって確信はあったけど。だから、樫野がやるなら多分大丈夫だろうなっていう信頼感を先に作っておくっていうのがすごい重要でしたね。
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「リーダーシップっていうのは旗を掲げる人で、フォロワーシップっていうはその旗についていく、そのついて行き方」(吉田)
吉川:なるほどね。なるほど。そういうことか。こういう話、図書館の話もラルクの話も全部そうですけど、やってみないと分かんないんだけど、その前に信頼感。でも、わかり合えないものもあるわけですよね。
樋渡:そりゃそうですよね。あとは大事なのはわかり合える市民をどれだけ作るかなんですよ。一番の最大の悪は無関心なんですよ。ものすごく批判するっていうのはすごい実は大事で、その批判の反作用として応援する方々も出てくるんで、反対する人達をきちんと平等に対応するっていうのはすごく大事。
吉川:そうかそうか。批判っていうのは関心が高いやつですごい優良な関心なんですね。
樋渡:そう。嫌よ嫌よも好きのうち。
吉川:吉田さんどうですか。
吉田:私、樋渡市長のこと尊敬してるんですけど、一緒に並ぶとやっぱ同類項に見られたくないなって気持ちがどっかで生まれちゃって(笑)。やっぱり樫野さんが広島県の職員として働いてて、その職員との信頼関係。たとえ信頼関係を築けないにしても、職員に対するマネジメント。これはすっごく大事だなって私はやっぱり思いますね。
吉川:マネジメントなんですが、リーダーシップが高くて、どこに進むのか明確にして、みんなでやるっていうのはリーダーシップあるよね。リーダーのあり方はどういうかたちが良いんでしょう。
吉田:大事なのは、職員にフォロワーシップっていうのかな。リーダーシップっていうのは旗を掲げる人で、フォロワーシップっていうはその旗についていく、そのついて行き方とか、指示をどういうふうに解釈して、さらに自分の下の人たちに繋げるかとか、そういうフォロワーシップっていうのが、市役所とかは欠けてるなと。どっちかっていうと、法律で決められた仕事を執行するだけの人たちっていう印象ですよね。特に横須賀の場合は、官僚出身の市長さんが36年間やってきたから、そういうマインドになっちゃってたけれども、市長としては経営者としてそういったところに改革をしていく。で、職員に求めたいのっていうのは、そういった市長が考えてることに対するフォロワーシップをもってですね、臨んでもらうっていうのが大事なのかなって、最近思っています。
吉川:なるほど。フォロワーシップですね。
吉田:そうですよね。
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「決定権っていうのを一定範囲でそこのスタッフの皆さんたちにちゃんと与えると、それはものすごくやりますね」(樋渡)
吉川:いや、ちょっと「おしい広島」のとこでいうと、樫野さん実際に職員っていう立場で中に入って。
樫野:一緒にやってましたからね。
吉川:それどういうかたちですか。まず理解最初してもらえないっていう段階からだと思うんですけど、どういうコミュニケーションなんですか。
樫野:ただ職員も普通の市民、県民であるっていうのと、普通に生活してるので、これおもろいよねっていうことに対して分かる感性はあるんですよね。普通に。有吉流行ってるよねとか。ただ、それは行政がやってはだめじゃないのとか、ここは踏み込んだらだめな領域ですよねっていう、勝手にバリアと境界をすごいつくってるんですね。
吉川:職員の方々は、個人としては常識であっても、役所内ではどうなるんでしょうか。
樫野:常識が狭くなってるんです。こんなことは役所ではとうていできないし、やっちゃだめなことですよねと思ってることを、いやいやこれ大丈夫よとか、背中押してあげるとか。それからここまでやったって責任は俺が取るからとか、もしくはこれはこうこうこういう理屈で必ずうまいこといくから、っていうことを言うと、だったら頑張りましょう、やります、っていうふうに、腹に落ちる感じがあるんですよね。
吉川:なるほど。組織ってちょっと顔が見えないところがあるじゃないですか。組織っていうのは強い一枚岩だっていうイメージで。というよりは中のそれぞれの方々の個人に戻ったら、こんなことあったらいいよなと思ってることを、ご自身の中でできないと固めちゃってるのを解きほぐすようなことをやられてたんですね。。
樫野:そうです。それでその人の気持ちでやらせてあげる。その人のアイデアを取り入れてあげる。じゃ、こここうなったらもっといいよねって付け加えていくと、当事者になっていくので、ガンガンガンガン盛り上がってくるんですね、それが。
吉川:なるほどなるほど。
樋渡:余白を作っとくの大事なんですよ。余白を。余白。100やろうとしてるときに、たとえば僕が図書館でやるって言ったとき多分2とか3くらいなんですね。実はあとの97っていうのは実はあそこ、職員からでてるんですよ。
吉川:そういうことなんですか。
樋渡:そうそうそう。だから余白の美ってよく焼き物で言うんですけど、それを作っておかないと。
リーダーシップとフォロワーシップのそこのフォロワーシップっていうのは、多分僕は、余白だっていうふうに思いましたね。吉川:今のお話で言うと図書館、学校と今ちょうど取り組まれてることも、職員の方々も、相当アイデアをどんどん出してる?
樋渡:相当出しましたよ。
吉川:そうなんですか。
樋渡:そんで僕ね、今ね、ホウレンソウ禁止って言ってんですよ。報告連絡相談するなって言ってるんですよ。決定権をそこに持たせるっていうふうにしないとね、やっぱり決めないんですよ。なんで、吉田さんとか僕がいきいきしてるかっていうと、決定権があるからなんですね。決定権っていうのを一定範囲でそこのスタッフの皆さんたちにちゃんと与えると、それはものすごくやりますね。
吉川:基調講演僕聞いたとき、それとか今までの報道とか見たら、あ、すごく個性的な市長で、まさにこの人が全部のアイデア出して、それこそみんなにお前これやれあれやれっていう、うわーと動かしてるイメージなんですけど。
樋渡:いやそれ逆だよ。あれやれこれやれって職員に言われてますから。いや、これね、すごい大事なんですよ。これ。報告連絡相談を首長ってものすごい求めるんですよ。
吉川:そうですよね。
樋渡:そうするとね。なんちゅーか、動脈硬化おこしますよね。こっちから水が来なく、血液が来なくなるんですよね。そうはいっても最終的には絵姿っていうのがやっぱりあるんですよ。絵姿からずれたときだけはこうした方がいいんじゃないとかっていうふうにやるとすごく力発揮しますよね。
樫野:OBラインだけを決めるみたいな感じですね。ゴルフでいうOBのラインだけを決める。
樋渡:そうそうそう。
吉川:あー、OBじゃだめよと
樫野:その範囲だったら自由にやっていいですよって感じですね。
樋渡:だから当初のね、図書館のイメージと今って全然違うもん。僕とツタヤの増田社長が思い描いたイメージと。
吉川:え、変えていってるっていうことですか。
樋渡:変えていってるんですよ。
吉川:現場の方々がこっちの方がいいんじゃないかっていって。
樋渡:こっちの方がいいとか言って。だからいきいきしてるんですよ。それが修正力だったと思いますよね。
樫野:「おしい広島」のね、面白いところってね、これもハンドリングフリーにしていったので、県のプロモーションだったけど、市が勝手に使い出したんですよ。「おしい三原市」とか。それでね、高校の広島学院がこれのパロディビデオ作って「おしい広島学院」っていうの送ってきたりだとか、もっとぱくられたのが岡山市。「おしい桃太郎市」って、、、、。
樋渡:あれはひどいよね。ちょっと。
樫野:クリエイターは怒ってましたけどね。
樋渡:広島にいってビックリしたのがね、広島の市内に行くと、「い」を勝手に加えてやってるもんね。僕がよく行くお好み焼き屋さんの人がね。「お」と「し」のところに「い」って、「本当はおいしい」と書いてね。いろいろバリエーションくっつけてやってるんですよね。
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「150万都市という人口規模があって、周辺都市入れたら400万人。これだけの都市が日本引っ張らんでどうするんだ」(樫野)
吉川:リーダーのあり方についてちょっとお聞きしたいんですが、今日テーマではちょっと異端な人が硬直した組織に入っていって壊していくとか、強い力で引っ張っていくっていうイメージがあったんですけど。
樋渡:全然。
吉川:全然?
樋渡:やっぱね、肩こりをほぐしていく感じ。整体師みたいな感じですね。
吉川:組織の整体師?
樋渡:そう。柔らかくしていく感じ。
吉川:ちょっと血液固まってるなっていう。
樋渡:ちょっとこの辺固まってるよみたいな。そんな感じですかね。
吉川:すみません。吉田さん、同じですか横須賀においても。
吉田:うん、なるほどなって思わされました。私ね、樋渡市長の新年か年末の訓示かなんかで職員を招集してるのを見たことがあるんですが、褒めてるんですよ。その時の褒め方が、普通の市役所だったら、10年勤続、20年勤続とかの表彰状渡すとかそういうのかもしれないんですけど、樋渡さんのときは「何とかの職員おるか?おるか?ちょっと前に出てこい」とか言って、みんながほんわかするような雰囲気作りっていうところから始めてたから、整体師っていうのすごくしっくりきましたね。
樋渡:今度やりましょうか?
吉田:横須賀市で?
樋渡:いやいやいや、吉田さんを。
吉田:私は、、、(笑)。
吉川:すみません。ありがとうございます。次は神戸についてなんですが。「神戸を変える」。このテーマについてちょっと。外から見て神戸をどう変えるのっていう。その前に、変えるってよく言うけど変えなくてもいいんじゃないのっていう考えもあるんですよね。まずは聞きたい。どうしてなんです。神戸を変えたいっていうのはどうして。
樫野:どう考えてももったいないじゃないですか。樋渡さんさっき言ってましたけど、これだけのポテンシャルがありながらこの状況はめちゃめちゃもったいないな。それに尽きます。
吉川:もったいないというのはどこ?
樫野:神戸が持ってる、都市のあり方とか、自然環境、街のたたずまい、そしてここにある企業・産業含めて。これからのある種、東京一極集中ではなく、全国的に開発というか再成長していって、地域社会のあり方を作っていく中において、神戸が実はロールモデルとなる可能性がすごく高いと思うんですね。かつ、150万都市という人口規模があって、周辺都市入れたら400万人。これだけの都市が日本引っ張らんでどうするんだっていう。どっちかっていうと、もったいないっていう思いもあれば、神戸ぐらいがしっかり地方、地域社会を作っていかないと、日本全体が沈没するよねっていう危機感も含めて。
吉川:なるほど。神戸単体の話じゃなくて、もっと大きな視点でいったときに神戸の位置づけって重要だよって話。
樫野:だと思います。例えば、神戸が単なる大阪のベッドタウンにしかならなかったら、明石も姫路も加古川も沈むじゃないですか。なので神戸の果たさなあかん役割っていうのはもっと大きいと思いますね。
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「神戸は申し訳ないけど、これが最初で最後のチャンス」(樋渡)」
吉川:なるほど。もっと具体的な話なんですけど。何を変えるのか。変えないといけない部分があるから変えるんだと思うんですけど、特に優先順位で言ったらどういうところなんですか。
樫野:これね、よく政策、各論の具体策っていうのは、環境とか社会環境とか、今の課題とか、いろいろ変わるんですけども、「根本何変えるの」っていうところ外してたらだめだと思うんですよね。根本何かっていったら、「街のエンジンは人が集まるってこと」ということだと僕は思うんですよ。で、いる人が快適である、居心地いい。要は来る人が集まって、住む人が集まるっていうエンジンをしっかり街に作れるかっていうことが根本やと思っていて、だから樋渡さんのとこにはいっぱい人が集まってきてる。そうなってくると、街が活気を帯びて回ってくるんですよ、前に。この流れを作るのがものすごい大事ですね。
吉川:街をちょっと循環さすみたいなもんですか。
樫野:前に転がしていくっていう感じだよね。この循環作らないと、街はどんどん過疎化する。過疎化っていうのは街がだめになっていく代名詞。デトロイトがだめになったのもそうだし。要は借金増えて、人が減っていくと街が破綻するっていうのが負の連鎖で。神戸はずーっと失われた三十年が続いてるので、ここはもう一度、前に転がっていくエンジン埋め込まないとだめだよねって。
吉川:武雄市においてはこのエンジンが動き出したってことですよね。
樋渡:動き出してる。
吉川:その前ってどうだったんですか
樋渡:その前はもう悲惨ですよ。いや本当。どんどん人は離れていくし。商店街からお店もなくなっていくし。あと三年くらいしたら、当時新聞に書かれたんですけど、赤字再建団体になるかもしれないと言われてたのが、今はもう超優良自治体っていわれてるんですよね。それは魅力が増したんで人がどんどんやってきてるんですよ。本当に。で、今ね、家を建てるところもだんだんなくなってきてるんですよ。
吉川:本当ですか
樋渡:本当にそうなんですよ。だから変えるってすごく大事で、今変えないと神戸が絶対だめになると思いますよ。僕はプロなんで、行政のプロなんで、だいたい街を見て、人の動きを見ると、だいたい症状っていうのがわかるんですよ。そうなったときに、僕は、神戸は申し訳ないけど、これが最初で最後のチャンス。
吉川:今おっしゃったんですけど、「今しか変えれない」って話するんだけど、本当になんかそれ、どこで一番感じられるんですか。今日来られて。
樋渡:例えばね、これ樫野さんが配ってるチラシなんですけど、この数字を見ただけで終わってますもん。例えばね、ビックリしたのは住宅供給公社が257億円の貸し倒れとかね、舞子ビラが104億円の損失補填とかね。市営地下鉄、累積損失1200億円超ですよ。いやこれね、ぴんとこないかもしれないけど、これみんな皆さん達が払わなきゃいけないんでしょ。しかもこれで利子もものすごいことになるんですよ。
吉川:そりゃ当然そうですよ。借りてますから利子が上がりますよね。
樋渡:そうそうそう。で、国がもう持たなくなってきてるじゃないですか。そうするとその次何が起きるかっていうと、武雄市の借金は武雄市で、横須賀の借金は横須賀で返せって、絶対なるんですよ。だからその時までに負担を減らしとかないと。で、負担を減らすためには交付金とか補助金とか減ってるんで、人を呼び込むしかないんですよ。
吉川:それが先ほど樫野さんがおっしゃってるようなことと繋がるんですよね。
樫野:今ね。やっぱり元気なのは福岡市。調べてビックリしたんですけど。12年間で12%くらい人口増えてるんですよね。この少子高齢化のなかで。
吉川:増えてるんですか。
樫野:増えてるんですよ。毎年1%人口が増えている。もうじき神戸市は福岡市に抜かれますけども。これだけ差が出てますよね。
吉川:これはなんで。外から移り住んで来る方が増えてる。
樋渡:そうですそうです。僕は福岡市から1時間のところに住んでてわかるんですけど、もう本当に移り住んできてますもん。福岡に。
吉川:ということは逆に言えば減っていってるところがあって。選ばれるか。だから自分がどこの市民になるかってのを自分で選んでいくわけですよね。
樋渡:そうです。そうです。それを足による民主主義って言うんですけども。自分が税金ここで払いたいって。だからLINEの本社も福岡になるじゃないですか。なんで?って聞いたんですよ。そしたらやっぱり福岡、魅力があるっていうことなんですね。で、やっぱり首長が替わったっていうのが大きな魅力だって言ってましたもんね。
吉川:やっぱりそれが転換期になってるという。
樋渡:そうそうそう。首長って都市の顔なんですよ。だからそこすごく僕は大事だと思いますよね。やっぱり。やっぱり気持ちが変わらないと物事って進まないんですよね。
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「毎年の赤字が25億円あって、その補填を17億円税金で払う。じゃあ、神戸の地下鉄乗ってない市民の税金ってここに使われちゃって本当にいいんですかっていう議論が当然生まれるわけですよね」(吉田)
吉川:そういう意味では、もう、神戸変える時、「今変えないといけない」っていうのがすごく強いってことなんですよね。
樫野:そうですね。住む人と来る人を集めるために、遊ぶ、学ぶ、働くっていう切り口での施策をしっかり打ち込んでいって、この町が回るようにしていきましょうってことですね。
吉田:財政は、今日見てびっくりですよ。こんなに赤字出してる自治体になっちゃってたのって。神戸に税金納めてない私たちだって、ま、いろいろ紆余曲折あるんでしょうけど、この数字だけ見たら、何やってたんですかこの16年間。って思っちゃいますよね。
樋渡:僕ら経営者なんで、これを見たときに、あ、これは経営者はろくなのがいなかったって。
吉川:これ会社にたとえると。もう
樋渡:もう倒産ですよ。
樫野:その前に責任とらなあかんでしょ
吉川:本当ですか。
吉田:そもそも市営地下鉄で累積損失で1200億出してるっていうのは、ちょっとあれですね。毎年の赤字が25億円あって、その補填を17億円税金で払う。じゃあ、神戸の地下鉄乗ってない市民の税金ってここに使われちゃって本当にいいんですかっていう議論が当然生まれるわけですよね。
樫野:そこの立て直しプランを出すと、今度は樋渡さんが言ってたようにできない理由をばーっと言ってくるんですよね。ほんとに。じゃあどうすんねんって。
吉川:財政がいくら破綻してるっていっても、まあ別に生活に困ってるわけじゃないのって思っちゃうんですけど。
吉田:それは思わされてると思った方がいいよ。
樋渡:ちょっと待って。マスコミとかね、国にそう思わされてるの。
吉川:思わされてるんですか?
樋渡:デトロイトであれが起きたじゃないですか。デフォルトが。デトロイト市で。これね、早晩日本もそうなります。だって国が支援できないもん。もう。夕張だけだったら、国が支援しましょうってなるかもしれないけれども、夕張と同じくらいに神戸って、、、、僕はチラシしか見てないけれども。
樫野:ほんまヤバイですよ。
樋渡:相当ヤバイですよ。仮に神戸だけだったら助けることができるんですよ。だけど、名前は言いませんけれど、いろんなところが同じような話になってきてるんですよ。もう。そうなったときに一斉に助けられないですよね。国も体力が弱ってるから。だから、今、体力のあるこの2、3年で手を打たないともうだめになるってことなんですよ。
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「国も相当今困ってるんですよ。地方から泣きつかれてると。(中略)パイプって言われても、僕ら困るよっていうのが霞ヶ関の役員の本音なんです」(樋渡)
吉川:一般的に考えるのが、地方って国との強いパイプがあってね。国からやっぱりいろんなものを入れていかないと、地方財政も成り立たない。ということは、成り立たなくてもいざとなったら親元から仕送りを入れたらいいんだって思うところあるじゃないですか。
樋渡:たとえば、親元が借金してて、親元が破産してるんですよ、今の状態っていうのは。
吉川:というのは、親ももうそれぞれ子どもは自分でちゃんと食ってていってくれとなってる?
樋渡:いや、もうそれは、、。
樫野:国とのパイプっていっても、借金まみれの親とのパイプってどうするんですか。
吉川:親の借金。
樋渡:今からは国のパイプなんてないほうがいいよもう。だって借金払えって言われたらどうします。
吉川:いや、僕は嫌です。絶対。
樋渡:実際ね、これマスコミとか書かないけど、もうそれは始まってるんですよ。親離れ子離れが。
吉川:自立しろと。
樋渡:自立しろ。国が自立しろと言いそうになりますけどね。本当。
吉川:とはいえ、樋渡さんって経歴見たら、本当はどっぷりそっちの人なんですよね。
樋渡:どっぷりですよ。
吉川:なんか今こんなこと言ってるけど、どっぷり本当はそっちにいたんですよね。
樋渡:だからどっぷりいたときに、言い過ぎて僕は飛ばされたわけですよ。
吉川:沖縄の与那国に。
樋渡:沖縄の与那国島というところにね。だからね、口は災いの元なんですよ。なんでね、僕は国のことわかって言ってるから。
吉川:わかった上で言われるわけですね。
樋渡:わかった上で言ってるんですよ。だから国も相当今困ってるんですよ。地方から泣きつかれてると。パイプだ、パイプだと、みんな選挙のときに言うんですよ。パイプだ、パイプだって。だけど、パイプって言われても、僕ら困るよっていうのが霞ヶ関の役員の本音なんですよ。だから今の間に稼ぐ、稼ぐようなモデルを作ってくれってことを言うんですよ。
吉川:先程から、おもしろおかしく図書館がどうのこうの言ってるんだけど、今の本質はそれだったらきちっと、自分たちで一団体として回せるようにどうするか。本当は神戸を変えるって、今の話をどうやってと思ってたんですが、もうやんないといけないんですよね。
樫野:のんびりやってる暇はないと。
吉川:なるほど。時間ない。
樋渡:議論は尽くしてるんですよ。この前、僕、報道2001っちゅう番組で、副大臣が「これからアクションプラン作ります」とかって言ったから、アクションプランじゃなくてアクションしてくださいって言っちゃったら、ものすごくあとで怒られました。だから議論は尽くしてるんですよ。だからやるか、やらないかですよ。
吉川:騙されてたんですね、僕は。
樋渡:騙されてたんです。本当。
吉川:わかりました。もう神戸を変えないといけないってわかりました。
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「一個の成功例をだしたら、そのね、再現するのはすごい得意なんです。なのでゆるキャラが流行ったり、B級グランプリになったりするのは、あっという間に広がる」(樫野)
吉田:で、さっきの組織がなくて大丈夫かっていう話に繋がるんですけど。やっぱり市民の皆さんに知らされてないっていうのが一番問題なんですよね。財政の状況が、例えば神戸にいくらぐらい借金が全体であって、毎年毎年それがどれくらい増えてるのか、減ってるのか。それを負担する人口で割ってみるとどのくらいの負担になるのかとか、そのくらいのざっとした概観でもいいから、財政の状況っていうのを市民の皆さんと共有する必要がまず市役所にはあるんだと。だって、市役所に何かお願いして、いやいや無理です。財政厳しいから。必ず言われるわけです。でもそれを言われる市民の皆さんはどれくらい厳しいのかとか、全然知らされていない。これがやっぱ一番大きな問題で、だから吉川さんも、ま、いいんじゃねーのって思っちゃってるわけですよね。それはやっぱりその事実をちゃんと知らされた上で、どう感じるかっていうのを改めて市民の皆さんに聞いてみる必要があるんですよね。
吉川:なるほどね。やっぱすごい大事なところですよね。そういう中で、一職員の方、役所の方も含めて、変えたいと思ってるんですかね。どうですか、実感として。
樋渡:変えたいと思っていても変え方がわからないっていうのが本音だったと聞きましたね。武雄市っていうのがどんどん沈んでいってるといったときに、変えたいと思ってるけど、そのメソッド、変え方がわからないから。じゃ、それを僕らは今いくつか見せてるんで。派手なところから地味なところまで。これが今度はね、全国に広がればいいなと思ってるんですよ。図書館でものすごく人が寄ってきてるんですけど、別に、ツタヤとだけで組む必要はなくて、僕らは組み方を提示したんですよね。
吉川:なるほど。そのメソッドという話ですね。
樋渡:例えば神戸のケーニヒス・クローネってあるじゃないですか。例えば、あそこと図書館やって、図書館にはお菓子だらけっていったら、僕行きますよ。トゥースと組んでもいいですよ。トゥーストゥースと。で、だからそういうふうな組み方っていうことを今までみんな知らなかったんですよ。それを僕らが、前例とか関係ないですからね。できない理由よりできる理由やって、やることによって。だから神戸に、そのトップランナーになってほしいんですよ。だってインパクトがやっぱり違うもん。
吉川:どういうことですか。
樋渡:神戸がいろんなこれから例が出てくるじゃないですか。例が出てきたときに、僕らもねその保守的なとこなんで、いやそれ無理ですよとかやっぱ言われるんですよ。たまに聞こえないふりしますけど、それでも無理だ無理だって言われるんですね。だけど、神戸やってるじゃない、って。じゃあ、あそこについて行こうよっていったら、神戸はブランドなんで、じゃあついて行こうって。あのやり方を謙虚に学ぼうよっていうふうにやっぱなるんですわ。
樫野:職員は体質的に言うと、議題設定とか、課題・論点整理がものすごい上手なんですね。ただ、そのHow。どうやって解決するのかものすごいへたくそな組織なんですよ。なんで、樋渡さんみたいにHowはこうやるって切り口出してあげると、一気にブレイクスルーするし。
吉川:だから揺らぎが起きてもどんどんどんどん進む。
樫野:で、一個の成功例をだしたら、そのね、再現するのはすごい得意なんです。なのでゆるキャラが流行ったり、B級グランプリになったりするのは、あっという間に広がる。そういう話ですよね。
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「全部市役所がやらなくてもいいんじゃないのっていうふうに投げかけることもまた一つ大事」(吉田)
吉田:あとね、何でもかんでも市役所がやろうとしちゃいますね。それができない理由です。
吉川:え、え、どういうこと。
吉田:こういうことをやろうよっていう話をしたときに、できない理由として挙がってくる先にあるのは全部市役所がやろうとしてるから。だからこういう課題が。例えば、これをやって、こういうのやりたいよねって話をしたときに、こういうところでできません。例えばそれ、法令の縛りだったり、あるいは財政面の制約だったり。でもそれ市役所がやろうとしてるからそういうふうになるんじゃないですかっていうようなところあるんで。変え方を気付かせるっていう話に繋がりますけど、全部市役所がやらなくてもいいんじゃないのっていうふうに投げかけることもまた一つ大事だなって。
吉川:なるほど。それも確かにそうですよね。だからさっきの最初に出たように、できないっていう概念を持っちゃってるって自分たちでやらないと思い込んでることが逆に負担も多くなってくる。
樫野:僕ら広島でやったときは、レモンはカゴメと組んだりとか、メガソーラーを東京のデータセンター会社と組んだりとかやってるんですよね。で、その中で、必ず地元の企業とか地元の人も一緒にやると地元もここで生き返ってくるっていう。必ずこの内部だけでやらないっていうふうにしてたんですね。
吉川:僕ら市民の方でも、これは役所がやってくださいよという思い込みが大きいのかもしれない。それは企業があるし、個人でそれをやれることはやろうよっていうのは十分あるっていうことですか。ということは、リーダーに求められるのは、いろんなつながりを発想するきっかけを作る役割になってるんじゃないですか。それも、やっぱ面白いからみんな結局やるのかなって。
吉田:面白いですよ。
樋渡:面白いですよ。
樫野:面白いですよ。
吉川:どの辺がどう面白いんですか。
吉田:私は躍動感ですね。ものごとが動いたっていうのは、こう、なんかこの立場じゃないとなかなか経験できないなっていうふうに思いますね。私は市議会議員やってた経験あるじゃないですか。市議会議員っていうのはもちろん市民から選ばれた代表ですし、予算が議決しなかったら執行できないですけれども。ただ予算の編成権を持ってないわけです。これすごく大事なラインで、当然市議会の役割ってすごく高いものがあるんですけど。これをやってほしいって市長に言っても、市長がうんと言わなかったらそれは前に進まない。なぜなら市長は予算の編成権を持っているから。この違いっていうのが、二元制だ、二元制民主主義だって言われるのの最たるものですけど。私としては動かしたっていう躍動感っていうのは市長の立場のほうが持ちやすいと思いますね。
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「有権者ってすごく大事で、保証人の扱いなんですよね」(樋渡)
樋渡:あとやっぱり選挙ですよ。四年間。やっぱりね、四年間。僕の場合は四年間のうち三回も選挙しちゃったけど、選挙で市民から信任をいただくわけじゃないですか。候補者の時はこれからの夢を語って、現職の場合だったら実績を語って。その視点は違うんだけど、その選挙でやっぱり選ばれるっていうのはすごく実は厳粛なことで。かつね、それで次に進んでいこうってなるんですよ。だから有権者って、僕は言葉が悪いと思っていて。あれ実は保証人なんですよ。
吉川:保証人?
樋渡:保証人。要するに樫野って書くというくらいに四年間は俺たちは応援するし、見とくぞって。だめだったら次、落とすぞって。
吉川:はいはい。落とすぞって。
樋渡:落とすぞって。それじゃないと神戸は沈むわけだから。
吉川:そうですよね。
樋渡:だからそれ有権者ってすごく大事で、保証人の扱いなんですよね。と、僕はそう思っていて。それは市民によく言うんだけど、だめだったら選挙で落としてくれって。だから、そういう風に市民とすごく近いって。だって樫野って名前を書かせるんですよ。書いていただくんですよ。うん。それはね、もう一体ですよ。だから、選挙がやっぱりこう盛り上がれば盛り上がるほど樫野さんが力を振るえるって。だからさっきの吉田さんの言ったような躍動感に僕はつながっていくというふうに思いますね。大事。
吉田:選挙が好きっていうのもあるかと思うんですよ。
吉川:なんかわかってきました。だんだん。ちょっとそういう。
吉田:選挙好きっていうの絶対馬鹿にしちゃいけなくて、選挙って一番市民の皆さんとコミュケーションが増えるすっごい大事な時期ですから。フォローするわけじゃないですけど、やっぱりそういう機会を大切にされているっていうことの証だと思います。
吉川:なるほど。やっぱりその、面白い。選挙も面白い。本当は。
吉田:私は厳しい選挙はもうこりごりです。楽な選挙したいです。
樋渡:説得力あるね。
樫野:苦労がわかりますね。
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「いろんなところで同じような、似たような動きがどんどん出てくれば、これが新しい時代のオーソドックスなやり方なんだと、いうふうにみんな思ってくれるでしょう」(吉田)
吉川:すみません。ちょっと次に。実は吉田市長のブログの中で、首長ネットワークの記事を拝見して。ついこの間でしたかね。武雄市に行かれて。で、なんかいろんな方々がディスカッションしながら、一泊ですか。
吉田:一泊でやりました。
吉川:この内容ってすごく僕は興味持ったというか。こういう首長のネットワークをどう作っていくか。一回これお話を聞きたいなと。つまり首長ネットワークでは、どんなテーマでやってんのっていうことすごく気になりますね。
吉田:ちょっと具体的な中身の話の前に。やっぱり議論はし尽くしている、だから行動を起こそうというところで、趣旨に賛同した人たちが集まってるのと、行動起こすにももうこの日本変えていくためには同時多発でやっていかないといけないんだ。だから、武雄市がね、本当に飛び抜けたよねっていうだけだと、なんかちょっとバカな市長がやってるっていうだけに見られてしまうかもしれないけど、いろんなところで同じような、似たような動きがどんどん出てくれば、これが新しい時代のオーソドックスなやり方なんだと、いうふうにみんな思ってくれるでしょう。
我々は一つ定義してるのは、イノベーティブな市長だけにしようということで、イノベーティブである、改革に付加価値を付けられる市長を集めて、みんなでネットワークしようと。具体的なテーマは、例えば公共人材を、どうやったらさらに、民間の人材のほうから引き入れることができるだろうか。そういうプロジェクトとかベンチャーを立ち上げるにあたって、いい自治体っていうのはどういうことだろうか、とか。それをもう協議会を作って、こう具体的なアクションとして、うちの自治体ではこんなサービスをはじめました。じゃあうちも真似させていただきます。じゃあそれの応用系やります。そんなようなかたちで、情報共有を含めてですね、やっていけるようなネットワークとして首長ネットワークっていうのをやっています。
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「財政の状況がどうなってるかすら伝えないで、事業を執行をしてる、予算の編成をしてる市長さんが、もしいたとしたら、そういう方が暴走だと思います」(吉田)
吉川:そういうことですか。(質問の)書き込みがあったので、お聞きします。「改革を求める政治家はときに成果を性急に求めるあまり手段を選ばなくなり、それは暴走ではありませんか?」ということなんですが、、、。
樋渡:間違いですね。あのね、暴走してうまくいくことは絶対ないです。一時的にうまくいってるように見せれても、急激に、例えば図書館であったり、病院っていうのは継続がすべてなんですよ。なんで、そこのフックが間違ってると必ず潰れます。間違いですよ。なんていうんですかね。成果を急ぎすぎてうまくいくこと一個もないですね。やっぱり腰据えてじっくりする。しかし、そこにはスピードが大事なんですよ。性急されたスピードって違うんですよ。だから本当は一年かかるものを図書館でも正味4ヵ月でやっちゃったんですよ。だけど、その手続きはちゃんと踏んでるんですよ。それでも暴走だとか独裁だとか言われますけど。こんなお茶目な独裁者いません。(笑)
吉川:中にはいろいろですね、改革の激しい市長もおられますから。こういうネットワーク作られるときにですね、改革の温度差なんかもいろいろあると思うんですけど、その辺のゆるやかなネットワークを作るときに温度感の違う市長とは、どういう連携なのかな?
吉田:なんていうかな。さっき言った話に戻るんですけど。温度差は特にないですよ。みんな沸点ギリギリで、一人だけ沸騰してますけど。沸点ギリギリの人たちがみんな集まってるから、そんな差を気にすることなくて、今の暴走という話も、私からすると、財政の状況がどうなってるかすら伝えないで、事業を執行をしてる、予算の編成をしてる市長さんが、もしいたとしたら、そういう方が暴走だと思います。例えば、スピードはやっぱね、価値ですよ。だからスピードを求める必要はあるんです。性急さは確かにいけないことかもしれないですけども、スピードは追い求める必要はあると。でもゆっくりね、なんの変哲もない自治体運営をしてる人たちが、借金を重ねて、市民にその財政状況を知らしめてなかったら、それこそ私は暴走だというべきだと思いますね。
吉川:なるほどね。
樫野:何もやらないということの機会損失を見せない。
吉川:見せない?
樫野:やらないことによる損失がものすごい発生しているんだけども、それを見せてなくて、その暴走がわからないようになってる。
吉川:見えてこない。
樫野:見えてこないんだと思う。
吉川:そういう意味でこの首長ネットワークってね、各それぞれがやられていることを共有していってるということですか。
吉田:共有しつつあるっていう感じですね。まだ、立ち上がったばっかりですから、今、私はまだ入ってないですけど、ビッグデータを各自治体でそれぞれ取り組みをやってるけど、ちゃんとビッグデータを活用するため、協議会を立ち上げて情報共有をするところからスタートさせようということで、樋渡さんとか千葉の熊谷市長とか。そういった市長さんがそういう協議会を立ち上げ始めてますし。ただ助走期間ばっかり長くてもしょうがないから、来年の三月にはとにかく五つの分野ですべて行動に移せる状態にしておこうっていうのが今の共通の認識。
樋渡:それに教育だったり、公共人材だったり、さっきのITベンチャーだったりするんですけど。それよりとにかくアクションしよう、アクションプランじゃなくて、っていうのを三月末までに出そうって僕らやってますけどね。
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「横須賀だけ、武雄だけ、神戸だけってやってもそりゃインパクトないんだけど、これが例えば三つまとめて、あるいは五つまとめてやるんだったらこれは、ものすごいインパクトになるんですよね」(樋渡)
吉川:さっきの個人、組織っていう話がでたんですけど。それぞれ組織を持たず、もしくは無所属であり首長になられた。そういう方々同士がネットワークを作って。これってまた新たな組織が作られていってるということですか。政党ではないんでしょうけど。
吉田:組織ではないですね。
吉川:そこらへんちょっとすごく興味があるんです。
吉田:同時多発という言葉が一番やっぱりしっくりくると思うんですけど。あくまで樋渡さんが国の政策にイエスって言ったから、じゃあみんなでどうやったらその考えに乗れるかねとかっていう議論をする場ではない。組織としてそういう意見表明をする場所ではない。だからネットワークとしてしっかりと連携をする。その連携をする、未来へとしては同時多発で改革を進めていくっていうところがポイントですね。そうすると、乗らない自治体が関係によってはあってもいいでしょうし。
吉川:なるほどね。緩やかなネットワークなんですね。やっぱり。
樫野:同業者の経営者連合みたいな感じですね。
樋渡:それに近いですね。はい。
吉川:やっぱりその、ちょっとさっきに戻る。マネジメントって経営。で、経営者って僕いつも思うんけど、社内で最も外の情報知ってる人ですよね。経営者。首長って結局その役割ないとだめだってことですかね。
樋渡:一番情報が集まりますよね。僕は高槻市役所っていうところで部長やってたんですけど、それでも首長のほうが100倍くらい情報来ますもんね。
吉川:なるほど。ということは逆に言うと、首長が外とのネットワークと情報が集まる力をより持つ、それがさっきの話、中にきちっと情報で提供されないとやっぱりすごくもったいない。というかなんですか、今までよりネットワークの取り方が変わってきてるっていうのも事実なんですか。
樋渡:全然違いますよね。今までは国県市とかいう縦のつながりだったんですけど、それが完全に崩れちゃっていて。こういう、たとえば横須賀さんと組むなんて今まであり得なかった話なんですよ。でも首長同士でこれを一緒にやっていこうとか、これは合わないからやめとこうねっていう話とかが平場でできるようになってるんですよね。はい。
吉川:面白いですね。
樋渡:面白いですよ。だからさっき吉田さんが言ったように、そこが同時多発なんですよ。一つのところだけが、横須賀だけ、武雄だけ、神戸だけってやってもそりゃインパクトないんだけど、これが例えば三つまとめて、あるいは五つまとめてやるんだったらこれは、ものすごいインパクトになるんですよね。
吉川:なるほど。
樫野:これも都市だけじゃなくて、民間企業も含めてネットワークされてるから。
吉川:これ都市同市のネットワークじゃなくて。やっぱりネットの環境、こう情報環境が大きくイノベーティブに変わったことが、こういうことも影響あったりするんですか。
樋渡:もう確実にそうです。はい。
吉田:あと同時多発っていう意味では、やらない自治体が取り残されてしまうようなイメージが作れれば一番いいですよね。だから一つだけね、樋渡さんだけが突出してやってると「本当、またあの人か」みたいになるだけで。そうじゃなくて、本当にイノベーティブな自治体はもうやってるよと。逆にやらなくていいんですかっていうような雰囲気作りが同時多発の結果できるようになるんじゃないかなって。
樫野:あとは情報はあふれてるので、その情報のどれを使って、どれを捨てるかとか、どの人と組んだらうまくいくかっていう。ここはそのメンバリングによるということね、チーム感ですよね。
吉川:先ほどあったイノベーティブな市長でやろうよとか。そういう波動がどう合うかっていうのすごく。政策よりもその波動みたいなものが近いんですかね。
吉田:波動じゃない、マインドですよ、マインド。マインド。行政をとりあえず法律に従って執行してればいいというマインドじゃなくて、どうやったら市民のためになるか、町の未来のためになるかっていうマインドで物事を変えていこうと思う。で、これ、横須賀は40万都市、それなりの都市だと自負はしてます。でもやっぱり神戸は今150万都市で始まったら、もうこれは他の自治体やってないほうがおかしいっていうことになりますから、それぐらいの、
吉川:神戸市中の話じゃなくてそれぐらい全国にも影響を与える話なんですね。
樋渡:そうです。
樫野:だから神戸がんばらなと。
樋渡:僕ら神戸を見てますから。僕ら。
吉川:なるほど。
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「次の次世代市長ネットワークっていうのがすごくポイントだし、あと大事なのはそこに真ん中にいる人が大事」(樋渡)
吉田:特に震災の話を。私、大学一年生で、ボランティアで来た時って1月の21日。テストのまっただ中であって、留年したのをそのせいにしてるくらいなんですけど。今、いわゆる東日本大震災を抱えてて、でも神戸がどうなってるかっていうのを絶対忘れちゃいけないわけですし、それがね、こんな借金ズルズル、赤字ズルズルのような状態だったら、やっぱり全国的にもどうなのって。
吉川:確かにそうですよね。いや、ちょっと今の話を聞きながらなんですが、首長ネットワークと同じものをやりましょうっていう提言ではないんですけど、やっぱり新しい神戸の未来を作るためのネットワークはこういうのがスタートした方がいいんじゃないかなと。
樋渡:絶対必要。
吉川:これちょっとね、いろいろご意見欲しいんですけど。
樋渡:あのね、僕はこういうの大嫌いだったんですよ。つるむの。だけど、吉田さんから口説かれて、男から口説かれたのは初めてだったんですけど、入ったらすごいよかったんですよ。そういう意味では吉田さんにすごい感謝していて。でも、この一つだけだとやっぱり力弱いんですよ。だから、いろんなたとえばネットワークがあって、イノベーティブ起こすのがあって、僕はあそこはちょっと無理だけど、こっちだったらとか。あるいはこっちもそっちも入りたいよねっていうふうになったときに、次の次世代市長ネットワークっていうのがすごくポイントだし、あと大事なのはそこに真ん中にいる人が大事なんですよ。
吉川:というと、どういうことですか。
樋渡:だから樫野さんですよ。だから。
樫野:ただの無職ですけどね、今は。(笑)
樋渡:だから、無職は有職になって。で、やっぱりそこの真ん中に樫野さんがいると、樫野さんとだったらやろうよって、というふうになりますよね。
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「飾りのように市長がいって儀式やるだけじゃなくて、産業と文化人でしっかり外交やっていきたい。都市外交やりたいなっていうふうに思います」(樫野)
吉川:これ多分樫野さん中心でこれやるとしたら、どういうふうなネットワーク作っていきたいですか。
樫野:なってもないのに難しいこと言うなよ。(笑)
吉田:まず一つあるのは地域性だと思います。三浦半島は横須賀、三浦、鎌倉、逗子、葉山。この4市1町で10月にですね、三浦半島首長サミットっていうのやるんですよ。やっぱ横浜、川崎市が強いですから、湘南はね、ショウナン、ナギサっていうイメージがあるし、そこに勝っていくには三浦半島で頑張っていこうよっていう考え方で、鎌倉の市長さんは私の2歳上、葉山の町長は1歳下。逗子の市長さんも9歳上ですけどまだ若い。三浦の市長さん50代だけど、名字が吉田。私と同じ。これはいいネットワークができるよねってことで、選挙事情なんかは違うところはあるけれども、三浦半島全体で連携していこうよ。さっき樫野さんの400万っていうのは、150万神戸だけれども、400万のことを考えてやっていこうって話ってのは繋がってくると思います。
樫野:組み方の考え方っていくつもあって、さっきの400万は僕は「環神戸パートナーシップーTKP」と呼んでますけど。これは周辺都市を含めた連携ですよね。それとは別に横浜と神戸で港町連携どうすんねん、ということもあるし、観光とかっていう切り口でいうと、函館、神戸、長崎の三大夜景でどう組んでみたいとか。そのテーマ、テーマで共通な都市が一緒に追っかけていくと、いろんなことができるんですよね。やっぱり。
吉田:TKP48にしないんですか。それ。
樫野:まあどんどん増やしていけばいいですよね。だから行政区にこだわらんほうがええと思うんですよね。
樋渡:そういうあり方がいいかもしれないですよね。
吉川:こういうネットワークできると、中央との流れで何をやるんですかっていうのとは、また違う。横の単に接近してるだけじゃなくて、もっと飛び出て持ってるものを繋げるっていう感じですか。
樫野:で、おんなじようにこれ実は、世界地図たまたま出てますけども、やはり都市外交も変えていかなあかんと思っていて、国の外交はいろんな問題点があってできないものもあるけど、都市連携って結構勝手にできるじゃないですか。なので姉妹都市のあり方を見直していきたいとも思ってるんですね。だからお飾りのように市長がいって儀式やるだけじゃなくて、産業と文化人でしっかり外交やっていきたい。都市外交やりたいなっていうふうに思います。
吉川:多分こういうやつをやっぱり、僕はね、やっぱりだったら神戸発でこういうの立ち上げましょうっていうね。中心ハブにならないといけないっていう提言があるっていうことですね。これは。
樋渡:すごい大事。で、それができるのは神戸ですよ。中心のハブになれるのは。ほんでやっぱりね、神戸だけだとだめなんですよ。だからそこの首長・メイヤーがあの人だったらっていうふうになると、そりゃ一緒にやりたいってなるんじゃないですかね。
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「首長が前向きに。(中略)樫野さんもこういうキャラなんで、内心ではそう思われていても明るいとか前向きだっていうのを発すると、やっぱり人はついて行くと思いますよね」(樋渡)
吉川:ありがとうございます。最後にですね、一つだけ質問ありまして、「何か挑戦するときに、突飛な挑戦をするときに怖くないんですか、恐れはないんですか」という(会場からの)質問ありました。それぞれお一人ずつお答えいただいて終わりにしましょう。
樫野:怖くはないんですか?
吉川:挑戦に対してですね。失敗という。
樫野:怖いですね。いっぱい怖いですよ。
吉川:それをどうしているか。
樫野:あとはもうなんか、怖さとネガティブ要素をどうつぶすかっていう、そっからあとはロジックで一個ずつ自分の不安消すようにプログラムを組むっていう。それに尽きるかな。で、やってるうちに、粘り強くやってくと、絶対それを支援してくれる、っていうか仲間が増えてくるんで、それがまた自分の心の応援になるなと思う気がしますね。
吉田:私は、あんまり根拠のない自信だけで生きていますから。(笑)
樋渡:これ、本当にそうなのよ。
吉田:本当にそうなんですよね。
樋渡:本当にそうなの。
吉田:なんであんまり怖くないですね。ただやっぱ将来のこと考えるとどんな風になってんのかなってのはありますけど、多分大丈夫ですね。
樋渡:そうそう。僕も同じ。全く怖くないんですよ。だって失敗したって死ぬわけじゃないですから。それと、僕ね、松下幸之助さんのテレビを見たときに、一番最初に嫌みなやつだなと思ったんですよ。「僕は失敗したことがないですから」って。それから先がすごかったんですよ。「成功するまでやりますから」って。「だから私は失敗がありません」って。だから明るく元気に社員と一緒にできるんですって。この言葉ってすごい大事だと思いますよね。だから首長が前向きに。そりゃ、この人ほど前向きになれませんけど。だけど、前向きにね。その樫野さんもこういうキャラなんで、内心ではそう思われていても明るいとか前向きだっていうのを発すると、やっぱり人はついて行くと思いますよね。はい。
吉川:それではここでパネルは終了させていただきたいと思いますので。本日は、本当にありがとうございました。