韓国司法:日本側の理解超える判断繰り返し…摩擦の根に

毎日新聞 2013年09月01日 14時39分(最終更新 09月01日 15時22分)

 【ソウル澤田克己、大貫智子】慰安婦問題での韓国政府の「不作為」を違憲だとする韓国憲法裁判所の決定から、8月30日で2年となった。韓国ではその後、日本から「理解しがたい」と批判の強い司法判断が相次いで出されており、今や日本側の対韓不信の中心は「韓国の司法」の様相だ。一方、韓国の朴槿恵(パククネ)政権は歴史認識問題での強硬姿勢を崩していない。安倍晋三首相と朴大統領は5日からロシアで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議で顔を合わせるが、首脳会談は開催されない見込みだ。

 韓国憲法裁は2011年8月30日、「日本国によって行われた組織的かつ持続的な不法行為によって人間の尊厳と価値を深刻に傷つけられた自国民の賠償請求権を実現させ、保護すること」が憲法によって求められているとして、韓国政府が外交努力を講じなかったことを「違憲」とする決定を出した。

 韓国政府はその後、元慰安婦の賠償問題に関する政府間協議の開催を日本に求めた。

 日本側は、韓国との戦後補償問題の解決を図った1965年の日韓請求権協定で慰安婦問題などは「解決済み」という立場で、韓国側の求めに応じていない。11年末に京都で開かれた日韓首脳会談は、慰安婦問題を巡り首脳間の感情的対立に発展した。

 日本側をさらに驚かせたのは、韓国最高裁が昨年5月、元徴用工の個人請求権を認め、協定で「解決済み」という日韓両政府の一致した見解を覆したことだ。

 最高裁は、三菱重工業と新日本製鉄(現新日鉄住金)の2社を相手取った損害賠償請求訴訟で、植民地支配の合法性などについて日韓両国の合意がない中で締結されたことを理由に「協定で個人請求権は消滅していない」という判断を下した。審理はソウル、釜山の両高裁に差し戻され、今年7月に原告勝訴の逆転判決が出た。両社は最高裁に上告中だ。

 韓国政府は盧武鉉(ノムヒョン)政権だった05年、戦後補償問題が日韓請求権協定で解決されたかどうかを検討。慰安婦問題などは「未解決」としたが、元徴用工については「(解決したと)見なさざるをえない」としていた。それだけに「特に徴用工に関する司法判断には韓国政府も困惑しているようだ」(ソウルの日本大使館幹部)。

 今年に入ってからも、韓国司法は日本側の理解を超える判断を繰り返している。

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