昨年１２月に東京都墨田区の無職、大久保敏明さん（当時５８歳）が自宅で殺害されているのが見つかった事件で、警視庁向島署捜査本部は３日、敏明さんの弟で元弁護士の敦容疑者（５２）＝墨田区東向島５＝を殺人容疑で逮捕した。捜査本部によると「認めません」と容疑を否認している。

　逮捕容疑は昨年１１月２４〜２５日ごろ、東向島１の敏明さん宅で、敏明さんの頭や首を刃物のようなもので刺し、殺害したとしている。死因は首を切られたことによる失血死で、顔や頭、手などに約４０カ所の刺し傷などがあった。凶器は見つかっていない。現場周辺の防犯カメラの映像などから、容疑者が浮かんだという。

　室内に荒らされた形跡がなく、遺体があった１階洋間の机の引き出しには現金が入った財布が残されていた。このため、捜査本部は顔見知りの親族や友人などの交友関係でトラブルがないか調べを進めていた。

　敏明さんは自宅を売却して近所のマンションに引っ越す予定で、昨年夏ごろまでは敦容疑者と２人で住んでいた。【松本惇、山崎征克、神保圭作】