MOON BABY

しばらく日が経った頃貴方は

いつもと変わらない素敵な笑顔で僕の所に来ました。

安心した僕に貴方は明日がお別れの日になる事を告げました。　

その日は他愛もない事を話しました。　

僕は上を見れませんでした。　

僕はその晩に知っている限りの幸せな言葉を手紙に書きました。
　
次の日貴方はいつもと全く変わらない笑顔で僕の所へ来ました。　

僕は恥ずかしそうに手紙を貴方の手の上にそっと置きました。　

しかし貴方はその手紙を床に落としました。　

頭にきた僕は強引に貴方の手を引っ張って手紙を握らせました。　



何かが切れる音がしました。　

天井から垂れ下がった貴方の頭に繋がる糸は途中で切れ、

貴方はうつむきました。　

次々と糸が切れ貴方は椅子の上で崩れました。　

貴方は素敵なからくり人形でした。　

ありがとう、夢を見ているようだった。