レンタルソフト店「TSUTAYA」やカフェが目立つ館内-
レンタルソフト店「TSUTAYA」やカフェが目立つ館内-。変容したという佐賀県の武雄市図書館に行った。
連休だったせいか、駐車場は県外ナンバーの車も多く、館内は大にぎわい。入館者数は前年度の「3倍返し」以上で増えているとか。武雄支局勤務から7年ぶりだが、歴史資料館のコーナーは消えてTSUTAYAのCD販売のコーナーに、子どもたちの読み聞かせなどの場所は隅っこに移されていた。
大胆な発想で公共図書館の利用者を増やしている樋渡啓祐市長の手腕は評価する。だが、武雄が誇る文化遺産の展示、情操教育の場としての雰囲気が損なわれた現状は残念でもある。
江戸時代末期の佐賀藩武雄領主・鍋島茂義を「幕末の偉大な先人」と自身のブログで絶賛した市長は最近、別館の建設方針を示した。そこは「教育熱心だった茂義公の精神を生かす施設に」と望みたい。 (津田祐一)
=2013/10/25付 西日本新聞朝刊=