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安全保障戦略 中身も進め方も荒っぽい 10月23日(水)

 安倍晋三首相の私的諮問機関である「安全保障と防衛力に関する懇談会」が、国家安全保障戦略の概要をまとめた。戦略は、外交と安全保障の包括的な指針になる。

 政府は、与党や関係省庁と調整して最終案をつくり、年内に閣議で決める考えだ。国の在り方を左右するものである。私的諮問機関での慌ただしい議論だけで決めるやり方は荒っぽい。

 戦略は、政府が年内の発足を目指している日本版「国家安全保障会議(NSC)」の運営指針になる。その位置付けは、長期的な防衛力整備の指針である防衛大綱より上だ。年内策定に向けて検討を進めている新しい大綱の中身にも関係してくる。

 概要は、首相の意向を色濃く反映している。日本の新たな看板として強調する「国際協調に基づく積極的平和主義」を基本理念に掲げた。中国や北朝鮮の軍事力増強を脅威と位置付け、領域保全の強化を打ち出している。「武器輸出三原則」の見直しも盛った。

 積極的平和主義とはどういうことか、専守防衛を旨としてきた安保政策は変わらないのか、など疑問は多い。武器や関連技術の輸出を禁じた武器輸出三原則の見直しは、結果として国際紛争に加担することにもなりかねない。平和国家としての評価に関わる。

 議論の進め方も問題だ。重い課題にもかかわらず唐突、拙速の感が強い。9月の上旬に首相が関係閣僚に取りまとめを指示し、中旬に有識者懇談会が発足した。それから1カ月余り、4回の会合で概要をまとめている。

 安倍首相は、重要な政策について私的諮問機関に検討を委ねる例が目立つ。憲法解釈で禁じられている集団的自衛権の行使にしても同じだ。今回とは別の有識者懇談会が、解釈変更による行使容認に向けて議論を進めている。

 賛否双方から広く意見を聞くのではなく、「結論ありき」の印象は共通する。目指す政策を実現するため、自身に考えの近い顔触れを集めて提言を受けても、正当性の根拠にはならない。

 戦略の概要は、安全保障を支える国内基盤を強めるために「国を愛する心」の育成なども必要だとした。息苦しい社会になる恐れがある。閣議決定前に狙いや内容を丁寧に説明すべきだ。

 臨時国会では、日本版NSC創設関連法案が特別委員会で審議される。安保戦略についても、内容や決め方の是非を政府にしっかりただしてもらいたい。

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