韓国財政が危うい。国の抱える借金が右肩上がりで増えているうえ、国際通貨基金(IMF)の指針によって“隠れ借金”も暴かれ、1500兆ウォン(約138兆円)と、従来基準の約3倍にまで膨れ上がるというのだ。世界一の対外債権国で家計の資産も潤沢な日本と違い、韓国は家計や企業のフトコロも深刻な状況に陥っている。
韓国の国家債務は2008年のリーマン・ショック後に増加ペースが加速し、2011年に400兆ウォン(約37兆円)を突破、今年も景気対策を実施した影響で500兆ウォンに迫っている。
そして来年3月以降、借金の額がケタ違いに膨らむことになる。というのも、これまでカウントしていなかった国出資の公共機関や地方政府、地方公共機関などの借金も国の借金に含めるためだ。
こうした“隠れ借金”が表に出た場合の借金額について、中央日報は「事実上、国の負債を意味する公共部門の負債は昨年末基準で1500兆ウォン(約138兆円)に達する」と報じている。2012年の韓国の名目国内総生産(GDP)の1兆1295億ドル(約110兆円)を上回る水準だ。
韓国政府の方針転換の背景にあるのがIMFの存在だ。IMFは昨年、公共部門の負債に関する指針を発表した。韓国はこれに従って国の負債の範囲を拡大せざるをえなくなった。
IMFと韓国は深い因縁がある。1997年のアジア通貨危機で主要企業が次々と破綻状態となり、韓国政府はIMFに救済を求めた。IMFの管理下で、財政再建や金融機関のリストラ、財閥解体など大ナタがふるわれた。