米盗聴疑惑:独首相の携帯番号記載…スノーデン容疑者資料
毎日新聞 2013年10月25日 00時45分(最終更新 10月25日 01時01分)
【ブリュッセル斎藤義彦】ドイツのメルケル首相の私有携帯電話が米国家安全保障局(NSA)により盗聴された疑いを巡り首相は24日、ブリュッセルで欧州連合首脳会議を前に「友人同士で盗聴を行うのは許されない」と述べた。首相はデータ保護など新たな米欧関係を作る必要性を強調したが、首脳会議で協議するかどうかは明言しなかった。
首相はオバマ米大統領への抗議後初めて発言、盗聴が「許されない」と大統領に伝えたと明らかにした。
首相は「私だけでなく、すべての市民がパートナーとの信頼関係を必要としている。信頼が同盟の前提」と強調。欧米に「新しい関係作りが必要」と述べ、データ保護や透明性を高める欧米間の協定などを「考慮すべきだ」と話した。
ドイツのウェスターウェレ外相は24日、駐ベルリンの米大使を呼び事情を聴いた。また独紙ウェルトなどによると、元米中央情報局(CIA)職員、スノーデン容疑者が独誌に提供した情報には首相が2009年10月から今年7月まで使っていた私有携帯電話番号があった。提供情報と首相の通話やメッセンジャー通信記録を独政府の専門家が照合。米国へ抗議を決めたという。