「ほこ×たて」ヤラセ告発の大波紋 フジテレビの大罪

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2013年10月25日 掲載

視聴者の信用を踏みにじった


<27日放送は「自粛」>

「これはひとつのバラエティー番組のヤラセ問題で終わる話ではありません」
 厳しい口調でこういうのは上智大学の碓井広義教授(メディア論)だ。

 23日に発覚したフジテレビの人気番組「ほこ×たて」のヤラセ問題。20日に放送された特番に出演したラジコンカー世界王者の広坂正美氏(43)が、「偽造された対戦の編集内容が余りにひどかった」と憤慨し、声を上げたものだ。

 広坂氏は過去の対戦についても鷹や猿が相手のときにラジコンをゆっくり走らせたり、猿が逃げないように首に釣り糸を巻き付けてラジコンで引っ張るように細工があったことなどを暴露。

 同番組はバラエティーだが、愚直なまでのガチンコ勝負が最大のウリ。「絶対に穴が開かない金属」対「絶対に穴を開けるドリル」などは職人同士がプライドをかけて激突する姿が感動を呼んだ。批評家筋の評価も高く、優れたテレビ番組に贈られるギャラクシー賞も受賞している。

「低迷するフジテレビの中では数少ない“見るべきバラエティー”でした」と、碓井教授がこう続ける。

「小学生から大人まで、親子で楽しめる素晴らしい番組でした。これまでスポットライトが当たらなかった町工場の職人芸など『モノづくり日本』の底力をバラエティーの形で見せてくれた。それが、本来なら対戦が成立しなかった段階でボツにすべき内容を、自己都合でねじ曲げた。言語道断です。もっと罪深いのは、ひとつのヤラセが原因で、これまでの真剣対決までが同じ目で見られてしまうこと。ひいては、テレビ全体がそう見られ、視聴者からの信用を失う結果になることです」

 ヤラセは今回だけでなく、他にも告発が相次いでいる。この問題は24日のNHK「ニュース9」でも詳報された。

 フジテレビは27日の放送を自粛することを発表したが、打ち切り程度で済まされる話ではない。
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