エレファントな解法
2010年02月13日 (土)
数学の問題は、たいていの場合には何か美しい解法があって、それに気づけばエレガントに解くことが出来るものです。過去問等の模範解答も、そういったエレガントで美しい解答が載せられています。数学が好きだという人は、こういった「エレガントな解法」を見つけるのが好きだという場合がほとんどでしょう。
しかし、試験時間の短い時間ではそういった「エレガントな解法」を確実に見つけられるかというとそうではありません。試験では、模範解答になる
ようなエレガントな解法を見つけられなかった場合には、愚直で面倒な式変形や、ひたすら書きだしてしらみつぶす作業、何通りもある場合分け、などをすることになります。こういった、エレガントではない「エレファントな解法」は、模範解答になることはありませんが、しかし限られた試験時間では必要になること
が多々あります。今回は、そうした「エレファントな解法」について書きたいと思います。
誰しも、数学 の問題はきれいに解きたいものです。きれいな解法なら手間も複雑な計算もいらず、面倒さがないのですから当然です。しかし、きれいな解法はひらめきやテク ニックが必要となることがほとんどです。なので、限られた試験時間では、ある段階であきらめてエレファントな方法に移行せざるをえません。さて、エレファ ントな解法についてですが、
1 愚直な計算や数え上げは、面倒なのとミスが多い(ので神経を使う)というデメリットがあるが、かかる時間自体は思ったよりも早い
という点をまず書いておきたいです。もちろん個人差がありますから、各自であらかじめ計算や数え上げの早さを自分で把握しておいてほしいですが、例えばしらみつぶしに対する「気の向かなさ」と比べると、案外あっさり終わったりするものです。
計算についてはケース・バイ・ケースのところが多いので、書き出し・数え上げ、場合分けについて具体的な目安を書くと
2 10前後の書き出しはすぐに終わる。場合分けは、分けた後の計算がすぐ終わるなら、10以下の場合分けは出来る。
場合分けは躊躇する人が多いですが、場合分けが10以下で、場合分けをした後の計算がすぐ終わるなら、いい方法を探して悩むより、場合分けをさっさとした方が早く解けることが多々あります。
次に確率・場合の数などの数え上げですが
3 100程度の数え上げは出来る。
いい方法が思い浮かばないなら、しらみつぶしに取り掛かった方が早いこともあります。ちなみに僕の友達で、いい方法が思い浮かず1000個(!)の数え上げをしてきちんと正解した人を知っています。やる気になれば案外出来ます。
なお、書き出し・数え上げについては
4 思いついた順にやみくもに書き出すのではなく、何らかの整理をして書きだす。
これをしないとモレやダブりを起こします。例えば、白と黒の碁石をルールを満たす用に並べる問題ならば、「1番左が黒」「2番目が・・・」などの分かりやすい整理をしておくと、モレやダブりを防ぎ、また効率的に書きだすことが出来ます。
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