特定秘密保護法案:「知って」 市民団体・日弁連、街頭で内容訴え /東京
毎日新聞 2013年10月25日 地方版
「みんなの生活に影響がある大事な法案です」−−。政府が25日に閣議決定する「特定秘密保護法案」。世論調査で「知らない」と答える人の割合が高いなど認知度が上がらず、市民団体や日本弁護士連合会(日弁連)などは連日、街頭で法案の内容を知らせる活動を続けている。
法案に反対の立場を取る市民団体「特定秘密保護法を考える市民の会」は21日から都内の街頭で、道行く人に法案の賛否を聞く「シール投票」を始めた。23日午後は台東区の上野駅前に投票ボードを掲げたが、「わからない」にシールを貼る人が目立ち、メンバーは法案の内容を書いたビラを手渡した。
会によると、3日間で689人がシールを貼り、「わからない」が4割以上の310人。メンバーの千葉県船橋市の専門学校講師、阪上武さん(48)は「認知度はまだ低い。自分に関係ないと思う人が多いが、必要な情報が出てこない恐れがあることを知ってほしい」と危惧を抱いた。
また、日弁連は23日夜、千代田区のJR有楽町駅前で、山岸憲司会長らが街宣車に乗って法案への反対を呼びかけた。足を止める人は少なかったが、元副会長の江藤洋一弁護士は「国民の『知る権利』が奪われようとしています」と訴えた。
特定秘密保護法案は、安全保障に関する国家機密の漏えいに最高懲役10年の厳罰を科す内容で、政府が今国会での成立を目指している。報道機関やジャーナリストが取材で秘密を管理する公務員らをだましたり、そそのかしたりしたと判断されれば、公務員とともに刑罰の対象になる。公務員、報道する側双方が萎縮し、国民に必要な情報が伝わらなくなることが懸念されている。【青島顕】
〔都内版〕