知財、米vs新興国の着地点探る TPP部会、日本で開幕

2013.10.24 23:55

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に参加する日本や米国など12カ国は24日、「知的財産」分野の作業部会を東京都内で開始した。28日まで5日間の日程で、特許や著作権の保護期間などについて話し合う。12月にシンガポールで開く閣僚会合に向け、難航する協議を前進させられるかどうかが焦点になる。日本でTPP交渉が行われるのは初めて。議長国を務める日本が米国と新興国の対立の解消に道筋をつけられるかが、年内妥結のカギになりそうだ。

 大江博首席交渉官代理は同日、記者団に対し、「最も論点が多い分野だが、日本が主導的に議論を進めていく」と述べた。

 知財分野では新薬の特許をめぐり、世界的な製薬企業を抱える米国が特許収入の確保を狙い、保護期間の延長を主張。これに対し、マレーシアなどは特許が切れ、安価なジェネリック医薬品(後発薬)の製造への影響を懸念して反発している。

 音楽や映画などの著作権の保護期間についても、ディズニー映画などがある米国が作者の死後70年に設定するよう求めているが、カナダやベトナム、日本などは同50年を求め、溝が埋まっていない。日本はアニメなどの国内産業の海外展開を後押しするため、海賊版・模倣品の取り締まり強化を提案している。

 12カ国は今月8日にインドネシア・バリ島で開かれた首脳会合で年内妥結に向け、「困難な課題の解決に取り組む」ことで合意。知財など対立の根深い分野の作業部会を相次いで開き論点を整理し、11月末に首席交渉官会合を開く予定だ。

 12月の閣僚会合で最終合意したい考えだが、知財のほか、各国が保護したい品目を持つ関税撤廃や、米国と新興国が対立する国有企業改革などは解決のめどが立っていない。

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