3度目の抽選で当たりクジを引き当てた和田監督(右)(左は日本ハム栗山監督)【拡大】
虎党が泣いて喜びそうな第一声だ。『将来の-』なんて冠はいらない。ルーキーイヤーから、エースの称号を手に入れる。1位指名を受けた岩貞が高らかに言い切った。
「投手として入団する以上、エースという立場を1年目から狙いたい。気持ちの面で、ひけをとらないようにやっていきたいです」
横浜市内のキャンパス内でテレビ越しに見つめた運命のくじ引き。眉一つ動かさなかった。和田監督のガッツポーズの瞬間にも、ふっと笑みをこぼしただけ。大物感をプンプンに漂わせた会見で、タテジマをまとう心境を吐露した。
「(阪神は)いつも上位にいるイメージ。このチームで投げるということは、人間としても立派ではないといけない。選手としても人間としても大きくなりたい」
1メートル82の長身を身震いさせた。最速148キロの直球に加え、カットボール、カーブ、スライダー、チェンジアップなど多彩な変化球を持つ即戦力左腕。大学2年時には大学日本代表にも選出された本格派だ。そのフォームに球種、風格も含めて、阪神関係者は一様に『能見2世』と口をそろえた。
3度目のくじ引きで得た左腕だったが、和田監督は「次(2度目の抽選)にでもいきたい投手だったんでラッキーだった。本当に能見に似ている。1年目からローテに入るぐらいの力を持っている投手」と表情を崩した。