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福島 約9割の学校 屋外活動制限解除
10月25日 4時51分

福島 約9割の学校 屋外活動制限解除
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原発事故のあと、放射性物質への不安から、福島県内の多くの学校では校庭などでの活動が制限されてきましたが、除染などが進み、これまでにおよそ9割の学校で制限を解除したことが福島県の調査で分かりました。
しかし、長期間にわたる制限で子どもの体力の低下が深刻となっており、県では今後、対策を強化することにしています。

福島県では原発事故のあと、立ち入りが制限される避難区域以外の自治体では、放射性物質への不安から、運動場で行う体育の授業を取りやめたり、休み時間に外で遊ぶ時間を短くしたりする制限を行う学校が相次ぎました。
県によりますと、活動を制限した学校は、県内の公立の小中学校と高校、それに特別支援学校のうち、およそ6割に当たる465校に上っていましたが、その後、県が改めて調査したところ、これまでにおよそ9割に当たる409校で、制限をすべて解除していたことが分かりました。
県は、校庭の除染が進んだことに加え、保護者の理解が徐々に得られていることが背景にあると分析しています。
しかし、福島県では文部科学省の体力テストで去年、小学生のすべての記録が震災前より低下していたほか、震災後に行われた調査でも、ほとんどの年代で「肥満傾向」の子どもの割合が全国平均を上回るなど、体力の低下や肥満の増加が深刻となっています。
さらに放射性物質への不安などから、子どもたちを屋外で遊ばせることができないという声も依然として相次いでいます。
このため各学校では、不安を抱える子どもや保護者への対応を進めるとともに、県では、今後、体力向上に向けた取り組みを強化することにしています。
子どもの発育に詳しい福島大学人間発達文化学類の小川宏教授は、学校での除染が進んでいることに加え、児童・生徒の体力の低下が著しいという学校現場の懸念が制限を解除する要因の1つになっているのではないかと指摘しています。
そのうえで小川教授は、「屋外で遊ばせると放射線の影響を受けるのではないかという心配が当然、親にはあると思う。一方で、成長過程で非常に重要な時期に、屋外で運動できないことも1つのリスクとなりえる。不安が払拭(ふっしょく)されたと言いきれないなかで、何をすべきかを冷静に考える必要がある」と話しています。

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