俳優の佐々木蔵之介(45)が、来年公開の映画「超高速! 参勤交代」(本木克英監督)に主演することが24日、分かった。「新人脚本家の登竜門」とも言われる城戸賞の一昨年の最優秀作は「金なし、人なし、時間なし」の東北の小藩が、5日間で参勤交代を実現させるために奮闘する姿を描く“時代劇版ミッション:インポッシブル”。佐々木演じる湯長谷(ゆながや)藩藩主・内藤政醇が宿場町で出会い、心ひかれるヒロイン・お咲を深田恭子(30)が演じる。
「超高速!―」は、一昨年の城戸賞で最優秀賞にあたる入選を獲得した脚本の映像化。2003年の同賞の入選作「のぼうの城」は、昨年公開されるまで9年を要しただけに、まさにタイトル通り“高速”の映画化が実現した。
「時代劇」というと、若い世代にはやや敬遠されがち。だが、次々と起こる難題に立ち向かう参勤交代のメンバーたちが、スピーディーに問題を解決していくという痛快ストーリーは、むしろ若者にウケそうな内容。佐々木も「あったかくて、元気が出る、今までに見たことがない愛ある時代劇。タイトルもユニークですが、作品はもっと面白いです」と自信をのぞかせている。
参勤交代の道中には、作戦阻止をもくろむ刺客も登場。宿場町の口汚い飯盛り女(女郎)でありながら乙女心を持ち、政醇に恋心を寄せるお咲役の深田は「殺陣の迫力がすごくて、本当に守られているような気持ちになりました。蔵之介さんの戦う姿や、かわいらしい福島弁など、見ていて心がひきつけられる作品になると思います」としている。
9月2日にクランクインし、今月23日に撮影が終了したばかり。これから編集作業が行われる。
◆「超高速! 参勤交代」 8代将軍・徳川吉宗の時代。東北の小藩、湯長谷藩は、幕府から「5日以内に登城せよ」と突然の参勤交代を言い渡される。実は、同藩にある金山を我が物にしようとする老中・松平信祝の差し金だった。通常、参勤交代に要する日数は8日。しかも、困窮した藩には費用がない。藩主の内藤政醇(佐々木)は、老中に知恵を絞らせ、東国一の忍びの力を借りて作戦を実行する。一方、松平側も参勤交代を阻止しようと、刺客を放つ…。
◆城戸賞 元松竹会長で映画プロデューサーの城戸四郎氏の「日本映画の新興には脚本の責任が大きい」との持論に基づき、新人脚本家に贈られる賞。74年12月に制定され、昨年まで38回を数える。今作のほか、映画化された作品に、29回(03年)入選作で昨年公開された「のぼうの城」(受賞時タイトルは「忍ぶの城」)、13回(87年)の観月ありさの映画デビュー作「超少女REIKO」などがある。
[2013/10/25-06:04 スポーツ報知]