福島第1原発:地盤を定期測量へ 汚染水漏れ対策
毎日新聞 2013年10月20日 15時19分(最終更新 10月20日 18時48分)
東京電力福島第1原発で、傾斜地に設置した貯蔵タンクから汚染水漏れがあったことなどを受け、東電は全タンク周辺の地盤を定期的に測量し、傾きや沈下の状況把握に乗り出すことを決めた。これまで測量は完成時の1度しか行っていなかった。測量の頻度や開始時期は今後検討する。
福島第1原発では2011年7月にタンクのコンクリート基礎が約20センチ沈下していることが発覚。この場所のタンクは解体され別の場所で使い回され、今年8月に汚染水約300トンが漏れた。移設に伴う材質の劣化が指摘された。今月2日には汚染水約0.43トンが漏れた。漏れの一因は、タンクが傾斜地に設置されていたことだった。東電は当初、社内基準の斜度1%未満で設置していたとしていたが、その後の調査で2.4%まで傾き、漏れやすい状態になっていた。専門家によると、同原発のような水を含んだ地盤に重い建物を設置すると、地盤が沈下する「圧密沈下」が起きやすい。
政府の汚染水処理対策委員会の大西有三委員長は「測量データのチェック体制の整備も重要だ」と指摘する。【鳥井真平】