衆参予算委:首相答弁、明快さ欠く…汚染水問題、TPPで

毎日新聞 2013年10月24日 23時50分

 衆参両院の予算委員会が24日、4日間の日程を終えた。野党は今国会、安倍晋三首相に初めて本格論戦を挑んだが、経済政策では首相が自信たっぷりにやり込める場面が目立った。一方、原発の汚染水問題や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉をめぐる答弁は明快さを欠いた印象をぬぐえず、引き続き国会論戦の焦点として残った。

 「『食と農は守る』という首相の言葉を信じている」

 24日の参院予算委員会。質問に立った山田俊男氏(自民党)はTPP交渉で「聖域」を守るよう訴えた。山田氏は全国農業協同組合中央会出身。党内きってのTPP慎重派だ。

 党内の「身内」から「信じている」と迫られた首相だが、言質は与えなかった。「センシティビティー(重要項目)に配慮しつつ、包括的で高い水準の協定達成に向け各国と努力していく」。TPPは野党の追及カードでもあったが、この4日間では、かわす首相を追い込めなかった。

 東京電力福島第1原発の汚染水問題では、首相がいらだつ場面も目に付いた。23日の参院予算委で、この問題をただした増子輝彦氏(民主党)に、首相は「汚染水問題は突然、安倍政権で起こったわけではない」とかみついた。

 とりわけ野党側が追及したのは、首相が16日の衆院代表質問で、放射性物質の影響について「ブロックされている」と説明した点だった。首相が9月、2020年東京五輪の招致演説で「完全にブロックされている」と発言していたためで、笠井亮氏(共産党)は22日の衆院予算委で「『完全に』がなくなったのはなぜか」とただした。首相は「基本的には同じだ」と説明したが、表現が揺れている印象を与えた。【高山祐】

 ◇野党「経済」追及不発

 一方、野党は安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」では攻め手を欠き、首相にアピールの場を提供する展開になった。

 「こびりついたデフレマインドを払拭(ふっしょく)する大事業だ。民主党政権時代の3年間もできなかった」。首相は21日の衆院予算委で、前原誠司氏(民主党)から「公共事業重視」の姿勢をただされると、皮肉を交えてこう反論した。同じようにアベノミクスの負の面を浮き彫りにしようと狙った桜井充氏(民主党)だが、23日の参院予算委の締めくくりは「経済を良くしようとの立場は全く同じだ」。与党から「民主党の追及は全然迫力がない」との声が上がる始末だった。

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