特定秘密保護法:尖閣ビデオ、該当せず…内閣官房
毎日新聞 2013年10月24日 21時21分
特定秘密保護法案制定のきっかけになった2010年9月に発生した沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突ビデオ映像の流出事件について、内閣官房は24日、「特定秘密に指定するまでの秘匿の必要性がない」との見解を示した。
法案に反対の立場の超党派の国会議員が国会内で開いた勉強会で、内閣情報調査室の早川智之(さとゆき)参事官が述べた。質問した福島瑞穂・前社民党党首は「ならば法を作る必要がない」と批判した。
ビデオ映像流出を受け、民主党政権当時の仙谷由人官房長官が法案の検討を指示。有識者会議を開いて報告書を作成させた。25日に閣議決定される特定秘密保護法案もこの報告書をベースに作成されたとされる。
安倍晋三首相は17日の参院本会議で「過去15年間の公務員による主要な情報漏えい事件」の5件の中でこの事件を挙げた。
映像は神戸海上保安部の海上保安官が巡視艇の共用パソコンから取り込んでインターネット上に流出させ、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検され、起訴猶予になった。【青島顕、臺宏士】