UPDATE 1-クレディ・スイス 第3四半期、投資銀が大幅減益 事業再編へ
(内容を追加しました。)
[チューリヒ 24日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイス が24日発表した第3・四半期決算は、純利益が4億5400万スイスフラン(5億0910万ドル)と、前年同期の2億5400万スイスフランから増加した。ただ、アナリスト予想平均の7億0500万スイスフランは大きく下回った。
全体の収入は約1%減。投資銀行部門の収入は債券トレーディングおよびセールス事業の不振が響き、20%近く減少した。米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小方針が明確になるまで、顧客が取引を控えたことが重しとなった。
投資銀行部門の税引き前利益は50%超減少し、2億2900万スイスフランとなった。
プライベートバンキング・ウェルスマネジメント(富裕層向け)部門では新規純資産が81億スイスフランとなった。収益性の高い資産運用商品や、超富裕層、新興国市場の顧客から多額の資金が流れ込んだ。
クレディ・スイスは、リターン改善に向け、金利トレーディング事業の再編と簡素化を進めていると発表。規制強化などを背景に、リスク資産を70億ドル、レバレッジを600億ドルそれぞれ圧縮することを目指すとしている。
また、2015年末までのコスト削減目標額を少なくとも1億スイスフラン上乗せし、45億スイスフラン以上とした。過去1年に2000人を削減してきたが、一段の人員整理もあり得るとしている。
こうした事業再編の動きについて、JPモルガンは投資銀行事業を大幅に縮小したUBS と比較して、取り組みが劣ると指摘している。UBSは1年前に1万人を削減し投資銀行部門を大幅に縮小、現在ではプライベートバンキングにほぼ専念している。
JPモルガンのアナリスト、Kian Abouhossein氏は、クレディ・スイスの投資銀行の資本とプライベートバンキング事業がなおほぼ半々の割合だとして「一段の削減が必要」との見方を示した。
ただプライベートバンキング事業をめぐっても、米富裕層の脱税をほう助したとしてクレディ・スイスなど複数のスイスの銀行が米当局の調査を受けており、逆風が続いている。
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しびれ切らす米国投資家
日本の構造改革実行の遅れにしびれを切らした米国投資家の間で、日銀への追加緩和期待が膨らみつつあるという。
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