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AP通信によると、韓国の政府当局はこのほど、サムスン電子の工場に勤務していた元従業員が乳腺がんで今年初めに死亡したことに関し、サムスン側に遺族への賠償金支払いを求めたことを明らかにした。韓国政府がサムスンのチップ工場と従業員のがん発症との間に関連性があると認めたのは、これで2例目となる。通信産業網が伝 えた。
韓国勤労福祉公団は今月初め、女性元従業員ががんになったことは、ソウル近くのサムスン半導体工場で5年間勤務していたことと関連性があると断定 し、14日にそれを公表した。同時に遺族への賠償案も打ち出した。具体的な金額には触れていないが、広報担当者は従業員の約4年分の報酬に相当する額だと 明かしている。
死亡した女性元従業員(36)はがんの診断が下されてから3年後の今年、死亡した。1995〜2000年までサムスン工場に勤務していた。サムスンの広報担当者ジェームズ・チョン氏は、サムスンは政府の決定について告訴することはないと発表した。
韓国では、勤務条件とがん発症との間に関連性があることを実証できる実例はごく少ない。同国では30人近くが勤労福祉公団に、サムスンでの勤務によってがんや多発性硬化症、脳腫瘍になったと訴えている。また12人が同公団に対する提訴が却下され、裁判所に訴えている。
(編集翻訳 伊藤亜美)