本文へジャンプします。

ネットとリアルをつなぐソーシャル飲食店



ライブレポート

2013.06.21 [Fri]

魔法少女と物理学の意外な関係!?:『すごい宇宙講義』(イーストプレス刊)発売記念イベント!理学博士・多田将先生の「すごい宇宙講義」 ~すごい完結篇~

 宇宙の話を聞きに行ったら、魔法少女まどかマギカの世界観に詳しくなった――

 金髪の物理学者・多田将先生が自然現象の本質を分かり易く説く大人気イベント!「すごい宇宙講義」シリーズ。

 第1回より、「ブラックホール」、「ビッグバンと宇宙の謎」、「宇宙と暗黒物質」、「宇宙創世」といったテーマで宇宙を題材にした白熱の授業が展開されてきた本シリーズもついに完結。
 今回の特別講義では出版記念と称し、過去4回の講義をまとめた総集編。今までの講義内容から厳選した宇宙バナシや、4回の授業で溢れてしまった多田先生の宇宙論を、アニメ談義に絡めて語っていただきました!
――――――――
 今回は3部構成でこれまでの講義内容を振り返りつつ、それぞれアニメと絡めた物理学の話が展開されました。
P1030660
●第一章 “第四章のはなし『相転移と魔法少女』”
P1030662
多田将先生(以下『多田』)
みなさん、『魔法少女まどかマギカ』って作品知っていますか?
21世紀の最高傑作と呼ばれているアニメなんです。
…『相転移と魔法少女』というタイトルで始まった多田先生の授業。2012年に大ヒットしたアニメ『魔法少女まどかマギカ』、その世界観を理解する中で不可欠な“相転移”・“潜熱”という言葉は実は物理用語。なかなか理解しにくい理論なのですが、多田将先生にわかりやすく解説してもらいました。
多田
「始めに、本題に入る前に第4章で解説しました『温度』の概念をおさらいしましょう」
P1030664
多田
温度はそもそも粒子の動きのことを指します。
粒子は“子”という字の通り、常に動き回っているものなんです。で、温度っていうのはその粒子の動き具合を指します」
つまり飛び回っている速度の速さで温度が決まるんです
テリー植田(以下テリー)
「へぇー」
P1030667
多田
「ここまで理解してもらったところで“潜熱”のおはなしをします
潜熱というのは物体の変化、例えば氷が水になり、水蒸気になる際に使われるエネルギーのことです
Image009
「この、ずーっと温度が変わらなかった後、いきなり温度が上がる点があります。ここが“相転移”です」
P1030713
「まどかマギカでは、ソウルジェムが汚れていく過程が“潜熱”の状態にあたり、相転移を起こした時点で魔法少女が『魔女』になる、ってことなんですね。
この作品で『相転移』って言葉が出たときに、ホントよく出来てるなぁって思いました!」
P1030720
まどマギファンの筆者は、この話を聞いて「ほぉー」「スゲー!!」と会場の片隅でつぶやいてしまうくらい感動。
しかしながら隣のテリーさんを含め、会場内の多くの人はまどマギを見ていない人でした。
イマイチピンと来てないリアクションでしたが、相転移・潜熱の話自体はすごくわかりやすかったですよね。
……もう『まどかマギカ』見ましたか?
――――――――
P1030648
 休憩時には、今回出版された『すごい宇宙講義』のサイン会が開かれました。
P1030683_2 P1030685
 笑顔で会話をしながらサインに応じる多田先生。フランクで親しみやすい先生の人柄が出たサイン会でした。
 
――――――――
●第二章 “第三章のはなし『ヤマトと推進力』”
P1030668
多田
「宇宙戦艦ヤマトを例に『前に進むということはどういうことか?』を説明したいと思います」
P1030670
多田
「物が前に動く、っていうのは後ろに物質を噴射することで、その反動で前に進んでいるんです。例えば、車ならタイヤの回転エネルギー、ロケットなら推進剤といったようにです」
「ところで、テリーさん。
波動エンジン、ってありますよね」
テリー
「ええ」
多田
波動エンジンは真空中に存在する暗黒物質をタキオン(光よりも早い仮想状の物質)にして推進力とするんです。
これで光より速い速度で進むっていうのが理論なのですが…」
P1030678_2
多田
「ヤマトの吸気口から入ってくる暗黒物質の量から、そこから生み出されるエネルギーを計算できるのでやってみました」
「それを基にすると生み出せるエネルギーは20W!
 
この計算で行くとイスカンダルへ行くのには10の18乗年かかります。これ宇宙の年齢より長いんですよねー
テリー
「つまりイスカンダルには行けないってことですか」
多田
「理論上はそうなりますねー」
●第三章 “第一章のはなし『シュタインズゲートとCELN』”
P1030687
多田
シュタインズゲート、これもなかなか面白い作品です
「時間レンジっていう機械で記憶を過去にタイムリープさせるっていうあらすじなんですが、そこに加速器が登場します」
P1030696
P1030699
多田 
この作品、CERN(=欧州原子核研究機構)もでてくるんです
テリー
「CERNですか」
多田
「CERNっていうのは欧州で共同出資で運用されている世界最大のLHC(大型ハドロン衝突型加速器 )施設です。
シュタインズゲートでは、ここでブラックホールを作ろうとしているといった設定になっています。
しかしここで理論上作成可能なブラックホールは一瞬と呼べないほどのごく短い時間しか存在できません」
テリー
「じゃあ、ブラックホールは作れないって考えた方がいいですかね?」
多田
なにより共同出資の機関なんで、勝手にそんなことする権限もないです(笑)
多田
「LHC繋がりで、情報を圧縮させるために主人公たちもLHC(大型ハドロン衝突型加速器 )を使うんですが、情報は圧縮しちゃったら元に戻せないので…コンセプトはいいと思ったんですが、これもちょっと非現実的な設定でした」
●まとめ
多田
「ここまで3つの作品を例に挙げて矛盾点を突いてきましたが、全体的に見ればとってもよくできてるんですよね。
こういった話をした後に言うのもなんですけれど、重箱のスミをつつくようなことはしないで、純粋に作品を楽しむべきだと思います!(笑)
「というわけで今回のまとめはこちらになります!」
P1030726
いろいろ調べてよく出来てるとゎ思うよ、
しかし、細かく見ると・・・(´・ω・`)
細かいことなんか気にせずに、
作品を楽しもうぜ (*゚∀゚)b!
多田
「やっぱり純粋に作品を楽しむのが一番です! ありがとうございました」
テリー
「多田将先生ありがとうございました!」
――――――――
●講師紹介(敬称略)
多田将
P1030647
1970年大阪府生まれ
京都大学理学研究科博士課程修了。
京都大学化学研究所非常勤講師を経て、現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所助教。
昨年、『すごい実験――高校生にもわかる素粒子物理の最前線』を出版し話題に。東京カルチャーカルチャーでは、定期開催している「すごい授業」講座を担当。
著書
『すごい実験 ~高校生にもわかる素粒子物理の最前線~』(イーストプレス刊)著者
●司会
テリー植田
P1030719
東京カルチャーカルチャーイベントプロデューサー
(ライター:オダツカナ
18:35
from Twitter
@tokyoculture2 からのツイート
東京カルチャーカルチャー公式Facebookページ
USTREAM配信中!

カルカル、生中継やってます。
アーカイブあります。

お台場 近っ!!

りんかい線で新宿から23分!渋谷から17分!池袋から28分!

CMムービー
モバイル用バーコード
モバイル版
ケータイで左のバーコードを読みとるか、URLをケータイに送信してください。
スマホ用バーコード
スマホ版
スマホで見る場合は左のQRコードから!
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です