東洋経済オンライン 10月11日(金)8時0分配信
もうひとつ重要な技術は「近くより、遠くでホメる」です。
直接ホメるのもいいのですが、「青木さんがあなたのことを、すごーくホメてたよ」と他人を介して伝わるほうが、インパクトが強いのです。
Aさんの先のセリフには、この2つの技術が巧みに盛り込まれているのです。
「ステキですね」で終わらせず、その理由を述べているし、自分ではなく母親の意見として述べている。
かつ、母親が「こういう人をお嫁さんにもらいなさい」と言う状況があるとしたら、誠実なつき合いを経て親に紹介する場面です。妙齢の女性がある意味で夢見るシーンでしょう。
つまり、「あなたは重要な存在だ」「あなたは必要な存在だ」という強烈なメッセージをホメ言葉として発信しているのです。
こんなことを、会って間もない女性にさらりと言えてしまう。心にもないことでしょう、きっと。そして言いなれているのでしょう、きっと。だから、悪魔的だと思うのです。
その女子アナは、「そんなこと言われたの、初めてです! 」と涙を流さんばかりに大感激していました。あぁ、やっぱり、悪魔的……。
■ セールスにも使える手法
Aさんのホメ言葉にはもうひとつ重要なポイントがありました。それは、「もし……だったら」+「メリット」の説得技法を使っている点です。
これはセールスの人がよく使う手法のひとつで、「もし貴社がこの機械を導入したら、来年度から3年間で1億円のコスト削減ができます」とか、「もしこのサービスを利用したら、来店者数は3割増加します」といった具合に使います。メリットが相手のニーズや課題をとらえていればいるほど、また実現する可能性が高ければ高いほど、相手に対する訴求力は膨れ上がります。このために営業パーソンはコストメリットの試算を行ったり、他社事例を使ったり、あの手この手を積み重ねるわけです。
恋愛や婚活も同じです。
「僕とつき合ったら、君のこと必ず幸せにするよ」などのメッセージを、言動と態度であの手この手を使って積み重ねることが恋愛や婚活における説得術、つまり「口説き術」なのです。
私はよく相談者さんから「一撃必殺の口説き文句はないですか? 」と聞かれますが、いつも「魔法の杖はありません」と答えます。交際の申し込みやプロポーズの言葉などは、実際、「最後の一押し」であったり、ある種の儀礼であって、それ以前の積み上げがモノをいうからです。そうでないと、「酒を飲ませて前後不覚にする」や「ウソをつく」など、蛇の道に走ることになってしまいます。
だから、相手に対して自分は何ができるのか。どうしたら喜ばせられるのか、これらを考えること、言葉にすること、態度で示すことが、本当の意味での「口説き術」だといえましょう。これは決して難しいことではありません。シンプルにまっとうなことをすればいいだけなのです。
■ 「性的欲求のツボ」とは何か
「もうひとつ」ついでに、もうひとつ重要なポイントをお伝えします。それは、くだんのホメ言葉の焦点が、女性の口説きのツボにフォーカスされているという点です。口説きのツボとは裏を返すと「性的欲求のツボ」のこと。このツボをぐいぐいと強力な力で押しているのです。
では、「性的欲求のツボ」とは何でしょうか。ここで、面白い調査結果を紹介しましょう。最近、流行のビッグデータを使った解析結果です。
ボストン大学のオーガス氏とガダム氏は、神経科学と生物学の専門家。この2人は共同研究のテーマに「人の性行動」を選びました。しかし、この分野は調査も解析も難しい。調査対象が偏りなく代表特性を示しているか不明だし、紳士淑女たちが本当のことを言うのか疑わしいからです。
そこで彼らは「無言の告白」というべきインターネットの検索結果に着目しました。グーグル、ヤフー、ピングなどの検索結果と、アメリカンオンラインが公表した65万人分の属性情報と検索履歴のデータセットをクロス分析するというアプローチをとったのです。
その結果、さまざまな実情が浮かび上がってきました。たとえば、収拾した4億の検索ワードのうち、何と5500万個の語句、全体の13%もが何らかのエロチックコンテンツを探すためのものだった、などなど。
最終更新:10月11日(金)8時0分
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第1章:相続「大増税」が来る |