障害者差別:車椅子客の入店拒否など過去最多の259件
毎日新聞 2013年09月07日 11時54分
障害者に対する差別行為があったとして、全国の法務局が救済措置に乗り出した件数が昨年、統計を取り始めた2001年以降で最多の259件に上ったことが法務省人権擁護局の統計で分かった。
01年の救済措置開始件数は154件だったが、04年に初めて200件台を突破。その後は増減を繰り返していたが、11年から2年連続で増えた。
昨年の具体的な措置事例としては、中国地方の50代男性が機械設備会社への就職時の面接で仕事に支障がないため、片手首から先が動きにくいと伝えなかった結果、雇用から約10日後に解雇されたケースがあり、法務局が同社に再発防止を求める勧告を行った。
また、関西地方の20代女性が車椅子を利用していることを理由に美容室への入店を断られたケースがあり、法務局が付添人の同行や来店時間の調整を条件に女性が店を利用できるよう対応した。
今年6月には、民間企業などに障害を理由とした不当な差別を禁じる障害者差別解消法が成立、16年4月に施行される。
人権擁護局では、今月9日から1週間を全国一斉「高齢者・障害者の人権あんしん相談」の強化週間とし、電話相談を受け付ける平日の時間帯を通常より延長して午前8時半〜午後7時とし、土日も午前10時〜午後5時まで受け付ける。電話番号は0570・003・110。最寄りの法務局が対応する。【伊藤一郎】