セルビア戦、ベラルーシ戦が終わった後の10月19日。清武弘嗣はブンデスリーガのフランクフルト戦にスタメン出場を果たした。
ここまでチームは、3敗5分けで勝ち星なし。前節後には清武を評価していた監督が解任されるなど、チーム状況は悪化の一途を辿っていた。それゆえ「早く1勝を」と意気込んで挑んだ試合だったが、1-1のドローに終わった。
「今日は守備的に入ったし、リードされた展開だったんで引き分けて良かったです。本当は、点取られた後ぐらいの勢いを最初から出してやれればいいんですけどね。追いついた後、ひっくり返すチャンスもありましたけど、そこが出来ないのが今の順位(16位)にいる原因かなって思います」
清武自身の動きは悪くなかった。
サイドハーフやボランチがボールを持った時、いい動き出しをしているのだがボールが出てこない。それは、昨年とほとんど変わらないシーンだった。
「練習では、けっこう自分を見てくれるんですけどね。でも、試合になると相手のプレッシャーが早くて余裕もなくなるんで、いつも見れているのが見れなくなってしまう。周囲にスペースもあったし、来れば前向ける状況だったけど……ボールが出てこないんでね。これは、もう自分が呼び込むしかない。とにかく呼び続けて、自分を見てもらうように意識付けしていくしかないと思っています」
欧州遠征で変わった、トップ下でのプレー。
チームメイトへの不満を口にせず、チームを引っ張ろうという姿勢は、昨年から成長したところだ。だが、一番違いが見えたのは、トップ下でのプレーだった。
「たくさんボールに触れていたい」
自らそう語るタイプだけに、以前の清武はあらゆる局面に顔を出し、ボールを引き出そうとしていた。ところがこの日は、そうした動きもボールに触る回数も少なかった。だが、逆に動きは際立ち、前を向いた時は必ずチャンスを作っていた。
「トップ下の動きを変えたんです」
清武は、そう言った。
キッカケは、今回の日本代表の欧州遠征だった。クラブではトップ下を務めながらなかなかうまく機能せず、ボールを失う回数も多かった。そのため思い切って代表のトップ下であり、CSKAモスクワでもトップ下を務める本田圭佑に「トップ下は、どうプレーしたらいいんですか」と聞いたという。
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