そもそも左投手というのは難しい。今季限りで巨人を戦力外となった辻内だって、高校時代は甲子園を沸かせた大阪桐蔭の剛腕。ドラフト時には大騒ぎになったけど、結局、一軍登板すらできなかった。
松井よりも体は大きかったのにね。左腕というのは、性格にも個性がある選手が多くて当たり外れがある。むしろ高校時代はそれほどでもないな、と思っていた杉内(巨人)とか、石川(ヤクルト)が成功している。制球力があって丁寧に投球するし、球速がなくてもボールの出し入れができる投手。松井も、もうひとつピッチングに柔らかさが欲しいね。
左投手にもタイプがあって、石川や杉内と違って、金田さん(元国鉄、巨人)や江夏(元阪神、南海、広島、日本ハム、西武)なんかはガンガン放っていた投手。だけど、江夏なんかは晩年に投球スタイルをガラッと変えて出し入れができるようになった。同じく左腕の工藤(元西武、ダイエー、巨人、横浜)もプロに入ってから出し入れがすごくうまくなったからあれだけ(実働29年、通算224勝)やれた。
松井のいい点はスライダーと直球が同じようなフォームで腕が振れて、スライダーでも直球と変わらないぐらいのかなり速い球を放る。ただ、それだけではプロではダメ。もう少し抜くカーブとか投球に緩急をうまく使えるようになれば、工藤のようなすごい投手になれると思う。
【片岡宏雄氏がドラフト金の卵を分析(2)】大阪桐蔭・森捕手は開幕スタメン可能な器
☆かたおか・ひろお=1936年6月15日生まれ。大阪府出身。浪華商(現大阪体育大学浪商)で3季連続甲子園出場。立大では強肩強打の捕手として長嶋茂雄(巨人軍終身名誉監督)、杉浦忠(元ダイエー監督)らと4連覇を達成。中日、国鉄を経て、69年からヤクルトのスカウトに就任し、古田敦也、高津臣吾らを発掘した。スカウト歴30年以上を誇る生き字引。

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