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石川和男の霞が関政策総研
【第2回】 2013年8月26日
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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

柏崎刈羽原発再稼働で利益効果は最大1兆円
それを原資に福島支援と料金値下げに充てろ

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独自試算で判明!再稼働で
最大1兆円の利益増効果

(1)柏崎刈羽6・7号機の稼働が14年1月から容認される場合

① 2013年度の効果

運転期間が3ヵ月のため定期検査はしないと想定すれば、稼働率は8.14%で、化石燃料費は▲929億円、利益増効果は871億円。

② 2014年度以降の効果

  イ) 13ヵ月周期(稼働率28.67%)の場合

 追加化石燃料費(年間3272億円分)が生じないこと等による利益増効果は年間3066億円。原子炉の寿命を40~60年とすれば、これをあと23~43年継続することが可能となる。

  ロ) 18ヵ月周期(稼働率29.76%)の場合

 追加化石燃料費(年間3396億円分)が生じないこと等による利益増効果が年間3182億円。原子炉の寿命を40~60年とすれば、これをあと23~43年継続することが可能となる。

  ハ) 24ヵ月周期(稼働率30.52%)の場合

 追加化石燃料費(年間3482億円分)が生じないこと等による利益増効果が年間3263億円。原子炉の寿命を40~60年とすれば、これをあと23~43年継続することが可能となる。

(2)柏崎刈羽6・7号機の稼働に続き、同1~5号機の稼働が14年7月から容認される場合

① 2014年度の効果

14年度の定期検査について、6・7号機は13ヵ月周期(検査期間60日)と想定し、1~5号は稼働期間が9ヵ月のため定期検査はしないと想定すれば、稼働率は79.0%で、化石燃料費は▲9010億円、利益増効果は8442億円。

② 2015年度以降の効果

  イ)13ヵ月周期(稼働率86.83%)の場合

 追加化石燃料費(年間9908億円分)が生じないこと等による利益増効果は年間9284億円。原子炉の寿命を40~60年とすれば、これをあと12~32年継続することが可能。

  ロ)18ヵ月周期(稼働率90.12%)の場合

 追加化石燃料費(年間1兆285億円分)が生じないこと等による利益増効果は年間9636億円。原子炉の寿命を40~60年とすれば、これをあと12~32年継続することが可能。

  ハ)24ヵ月周期(稼働率92.41%)の場合

 追加化石燃料費(年間1兆545億円分)が生じないこと等による利益増効果は年間9880億円。原子炉の寿命を40~60年とすれば、これをあと12~32年継続することが可能。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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