東京電力福島第一原発で大雨の際、原子力規制委員会が了承していない手続きで汚染水タンクを囲う堰(せき)の雨水の放射性物質の濃度を東電が直接測定し、そのまま排出したことについて、同原発の小野明所長は22日、今後も同様の処理をする可能性がある、と同原発を視察した福島県の職員らに述べた。

 規制委の了承を得た手続きでは、堰内の水は濃度が均一でない恐れがあるため、別のタンクに移してまぜたうえで測定し、濃度が基準値未満であることを確認してから排出する。

 しかし、東電は16日と20日、大雨でタンクへの移送が追いつかず、堰の水の濃度を直接調べて排出。小野所長は、一定以上の大雨で移送が間に合わない場合には「現実的にはこのやり方しかない」と話した。これに対し、視察した県の担当者は取材に「この方法の安全性が担保されていない」と懸念を示し、規制委と再度協議することを求めた。

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