2013年10月23日11時40分
【金子元希】東京電力福島第一原発の事故後、放射性セシウムに汚染された牛が出荷制限された問題で、国から福島、宮城、岩手3県の畜産農家に交付された支援金を会計検査院が調べたところ、今年3月末で65%にあたる約27億円が返還されていなかった。各農家は東電からの賠償金を得た後に返す仕組みだった。検査院は、事業を実施した独立行政法人に返還を促す対策を求めた。
汚染された稲わらを食べた牛の肉の流通は2011年7月に発覚。その後の出荷制限につながり、主に被災地の農家が打撃を受けた。
このため独法の農畜産業振興機構は11年度、各県の畜産協会などを通じて農家を国費で支援。緊急支援金(1頭5万円以内)や出荷遅延支援金(1頭29万~78万円)など、計318億円を15道県の農家に交付した。各農家は牛の販売後などに全額を機構に返す仕組みで、東電から賠償金を受けるまで猶予されていた。
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