2013/10/19、おしどりマコ氏が「ノーボーダー・震災&原発」に「
原発事故後3週間以内のWBC測定値が存在、35%が汚染」と題する記事を載せている。これによると、2013/1/27、放射線総合医学研究所で第2回国際シンポジウム「東京電力福島第一原子力発電所事故における初期内部被曝線量の再構築」が開催され、参加したフランスの研究者が次のように発言したという。
「フランスでは220人の日本から戻ってきた人を調査、測定。
280人、2011年日本から帰国した人の測定、35%の人が汚染。(この人数の違いは不明、通訳の発言をそのままメモした)
ゲルマニウム検出器で測定。
ホールボディカウンティング、ゲルマニウム検出器2機で行う。
甲状腺の測定は1つのゲルマニウム検出器で、正面と頸部。ほとんどの測定は事故の3週間以内。
汚染が確認された人たちは、大部分がヨウ素131。セシウム134、セシウム137も20人検出。テルル132、ヨウ素132も12人ほど検出」
ここで注目されるのは、ほとんどの測定が事故の3週間以内であり、半減期の短い核種も測定可能な時期に行われているということだ。対象人数と汚染が検出された人の数があやふやだが、(私の推定だが、3週間以内に測定できた人が220人、それより遅れて2011年中に帰国し検査を受けた人を加えた総計が280人ということではなかろうか)いずれにしても、35%の人から汚染が検出されている。
測定にあわせて「東京にどれくらいいたか、時系列で事故のときから東京にいて、飛行機に乗るまでどういった行動をしたのか、聞き取り調査をした」とあるから、行動記録とあわせれば、日本人の初期被曝の度合いを測る上で極めて貴重なデータだ。
おしどりマコ氏は、「現在、海外からの原発事故後の帰国者の測定データは日本に提供されていない」と書いており、将来的に損害賠償訴訟の決定的な証拠となりうるデータであり、日本国内でも援用され当局の責任追及が強まることは必至なだけに、日本の当局はもみ消しに躍起となるだろう。
だが、上の短い記述だけでも、かけがえのない重要な情報だ。次の情報を読んで欲しい。吸気で肺に取り込まれたものは砂でも脳の血管を詰まらせることがある。
※ HIRO @89Geigers氏の2013/4/14のツイート
長年、土埃を吸いやすい環境で仕事をしてきた人が脳梗塞を起こした。頭を開いてみると、脳の血管に詰まっていたのは血栓ではなく、砂だった。吸い込んだものが肺から脳血管までいくということ。これは放射性物質でも同じ。だから吸気被曝は危険。頭じゃなく心臓にいけば心筋梗塞だ。
そして、「おやじが次々死んでいく怖すぎる現実」に記録してあるように、除染現場での作業中や休憩中、福島第一原発での作業中に突然死する方が出ており、その原因は、大気中の放射性物質を吸い込み、それが体内で短時間で心筋に集まったことによるとの見解も出ている。
「最近出たロシアの論文によればセシウム137は遅効性でなく、その場で即心臓の筋肉に支障をきたすとある。福一に最初に入った労働者の方が2日後に心筋梗塞で亡くなったのはそれではないかと今は思っている。」
最近、村上周三東京大学名誉教授の著作からとった次の見解が流布している。
「人間は環境化学物質の83%を空気(肺)から取り込み、食品からは7%、飲料からは8%に過ぎない。私たちが一日に呼吸する空気は約20キロ。食べ物や水の摂取量の およそ10倍」
村上周三・東京大学名誉教授「住まいと人体、工学的視点から(臨床環境医学 第9巻第2号、pp.49-62)
人の一日の飲食料品の摂取量は約2kg。私の試算では、吸気の量は一日11.5立方メートル程度と見られる。
CTBT高崎観測所のデータを用いて2011/3以降、吸気でどれほどのセシウムが肺に出入りしたが、試算したことがある。「呼吸でこれだけセシウムを吸っている」
CTBT高崎観測所のデータにより、Cs-134、Cs-136、Cs-137の日次の合計値は、次のように変化している。
そして、日次の吸気に含まれる放射性セシウムの量を累積していくと次のグラフになる。2011/3月中の吸気によるセシウムの取り込みが9割以上を占める。
なお、この例は、あくまでもで高崎観測所の計測器の前で298日間、昼も夜も毎分16回、1回500CC呼吸した場合だ。より福島第一原発に近いところに住んでいれば、当然、大気中に含まれる放射性セシウムは多いし、追加的な放出の影響も大きい。毎分16回、1回500CCというのは、通常の生活行動の場合の回数、吸気量であり、激しいスポーツや労働をした時には、吸気量が大幅に増える。
当局や政府関連機関によるヨウ素沈着量の推計が、2011/3下旬現在で表示されているのは、それまでの期間が決定的だったからだ。
セシウムについては、4月以降も放出、沈着が続いており、推計時点はより遅くなっている。福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算−世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション−
これまで繰り返し指摘してきたが、関東の中でも福島第一原発からより遠い神奈川県下で早い時期から突然死の事例、特に体育教師や体育大学の学生などの事例が報じられるとともに、東京都の多摩地域南部も含めて、人口動態が悪化したのは、初期被曝の強さと関係がある。
関東で、もっとも健康被害が早く、顕著に生じたのは、茨城県だ。「2011年3月茨城県で被曝が契機となって300人前後が死亡した可能性」
私がウォッチしている毎月の人口動態統計によれば、出生死亡比率は季節変動を繰り返しながらじりじりと悪化している。福島第一原発事故後のプルームによって特に強い内部被曝を受けた方がまず亡くなり、多くの方にありとあらゆる体調不良が生じているのが今の段階だ。
この先、避難などによって体調が回復される方もおられるだろうが、食物などからの放射性物質の摂取が続いて、深刻な状態に陥る方も増えてくると強く危惧している。
「当局は人口激減を見込みすでに予防線を張っている」に書いた私の将来人口推計値、2013年から2026年までのあしかけ14年間で死亡数2,410万人、出生数1,060万人、人口自然減1,360万人は、控えめな数字だ。
被曝による健康被害防止のために、これまでの食習慣や生活様式を変えるようなことはいっさいしたくないと言う方は、それでもいい。ただ、上の死亡数の増加の背後には、その10倍、20倍もの人が重い病で呻吟することになることだけはよく理解しておいたほうが良い。
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このブログは、匿名でしかも無料だ。そんなものは信用するに足らないとお考えになる方がおられれば、そういう方には有料にしても良いと考えている。内容的には、それだけの自信がついた。
タダほど高いものはないと言うが、このブログを読むのはタダではない。読者は自らの貴重な時間を割かなければならない。斜め読みしても内容は理解できない。
自分と家族の健康を守るためには、自分で調べ考えることが必要だ。次に掲げる既出関連記事をどれだけの方が読んでおられるだろう? 私は、ネットなどのあちこちの情報を調べ回る手間を省く手伝いしかしていないが、情報は厳選している。
プルーム襲来時に、特に屋外にいた幼児の保護者は、甲状腺の異状に注意を
東京、神奈川で人口動態悪化が生じたのは、初期被曝が主因。その後放射能防護を怠った人は健康被害がひどくなるだろう
プルーム襲来時に、特に屋外にいた幼児の保護者は、甲状腺の異状に注意を! ヨウ素の地表付近の濃度シミュレーション図
甲状腺病変は被曝量による非確率的影響 発症例をこのブログの記事から再掲
大気浮遊塵濃度、土壌濃度、空間線量率、人口統計悪化はすべて相関している