メールでご連絡をいただき、ご近所に住むHさんとお話してきました。
「こんなこと書いたら初心者っぽくて恥ずかしい」?
お話は多岐に及んだのですが、ぼくがブロガーということもあり、ブログの運営についての話題になりました。
Hさんはニフティサーブ時代からインターネットに触れている方なのですが、ブログに関しては「どうしても継続しないんです」。三日坊主で終わってしまい、これまでに何度も立ち上げては諦めて…というプロセスを繰り返してきたそうです。
続かない理由のひとつには「こんなこと書いたら初心者っぽくて恥ずかしい」という、恥の感情があると自己分析なさっていました。Hさんと同じように感じてしまう人はけっこう多いのかもしれません。かくいうぼくも、昔はそう感じて、記事の公開をためらったこともあります。
が!プロブロガー道を歩んで2年目、ぼくはHさんとは、ある意味真逆の考え方をしています。「こんなこと書いたら初心者っぽくて恥ずかしい」という感覚を抱く瞬間は、それ自体が、最高のネタになるんです!ここは大切なので暑苦しく力説します!
まず、大前提として「自分が当たり前に知っていることは、意外と他の人は知らない」「自分が知らなかったことは、他の人も高い確率で知らない」という認識を持ちましょう。これ、重要なので読み飛ばさないでくださいね!
たとえば、ぼくは先日「“誰も知らないインターネット最大の会社”、「アカマイ」を知っていますか?」という記事を書きました。
「アカマイ」は特にシステム周りの知識がある人にとっては、「知っていて当たり前」の企業です。ぼくはアカマイのことを、書籍「知の逆転」で初めて知りました。システムに詳しい人から見たら、ぼくのような仕事をしている人間がアカマイのことを知らないのは「ありえない」レベルの話だったりします。実際、「イケダハヤトはプロブロガーを名乗っているくせにアカマイも知らないのか!」というdisりをいただいたほどです。
が、こんな会社、普通は知らないわけです。インターネットに長く触れているぼくですら初耳だったので、固く見積もっても人口の98%は「アカマイ」なんて会社を知らないでしょう。
昔のぼくだったら「アカマイを知らなかった」ということを、「恥ずかしい」と感じてしまい、こんな記事をしたためなかったでしょう。どうしても書かなきゃいけない場合は、さも以前から知っていたかのように解説記事を書いていたはずです。
が、そんなのはくだらない見栄です。実際、アカマイのことはほとんどの人が知らなかったようで、こちらの記事は累計で5,000PVほどを獲得しています(解説記事がそもそも少ないので、Googleで検索すると、2P目にヒットします)。
みなさんが文章を書こうとしていて、自分の無知を公開するのが恥ずかしくなるような瞬間があったら、それは最高のネタに出会ったということです。
あなたがこれまで生きていて知らなかったということは、他の誰かも知らないということであり、それはまさに、人々の役に立てるということです。恥ずかしがっている場合じゃないです。
名言風に言えば、「己の無知に気づく瞬間は、コンテンツが花開く瞬間だ」、といったところです。ぼくは自分が知らなかったことに出会うと、リアルに、パーッとネタが花開くイメージを抱きます。
ぜひ無知を恥じることなく、むしろそれを純粋な驚きとして捉え、世界にコンテンツを提供していきましょう。それは、世界の知識の穴を埋める、価値ある仕事だと思いますよ。アクセスも集まるはずなので、騙されたと思ってやってみてください。